提携とか協力とか【半蔵門ビジネス雑談】20200106
「提携して協力してやっていく」
「Win-winの関係で」
。。。
こういう「提携」とか「協力」とかだが、実はあまりその効果を信じていない。期待していない。特に提携そのものが目的で始まった場合だ。
サラリーマン時代の異業種交流会。同業を含め様々な業種の企画マンなどが集っていた。名刺交換をし、お互いの自己紹介などをして、協力できそうな業務やサービスがあると、こう言う。
「足りないところを補いあって」
「得意な分野の相乗効果で」
例えば、営業が弱いと片方が言えば、
「うちは営業マンが揃っています。是非御社の製品を扱います」
あるいは、
「うちの製品を御社の顧客に紹介させてください」
こういう具体的ならばいいほうで、大抵は、
「是非協力して何かやりましょう」
で終わってしまう。
最初から提携で解決しようとするのは、そもそも他力本願だ。協力にしても協力するメリットが必要なのは明白。自分側に足りないものがあるからそれを求めて提携すればプラスになるだろうが、相手側に得られるものが必要だ。なかなか進まないのはそういう視点での検討やアピールが欠けているからだ。
また提携方法が、足し算でなく掛け算的になっている場合は、さらに深刻になる。
例えば、販売提携だとして、A社製品をB社の既存マーケットに販売する場合。B社の販路に、既存製品と抱き合わせや、ついでに紹介して販売するのであれば、足し算的ではあるが、
A社製品に引き合いがあり、B社営業が一生懸命サポートしたにも関わらず商談不成立となったら、B社の営業としては、既存品も売れず、A社品も売れず、営業コストだけがかかったことになる。
提携の理由が自社の力不足だとして、0.9+0.9=1.8になればいいが、0.9X0.9で掛け算になると、0.81となる。単独での力より小さくなってしまうイメージだ。
提携や協力は、足し算もしくは、双方とも力があり1以上x1以上になるようにしなければ、むしろ逆効果になる。そして、そのパターンは少なくはないだろう。(感覚的だが)
もちろん、十分吟味され詳細をつめた信頼関係のある提携や協力はどしどし進めるべきだけど。