「弁護士費用立て替え」という訴訟投資ファンド【半蔵門ビジネス雑談】20200120
昨年、米国ドラマ内に登場したこれ。
ほぇ〜〜と思ってみていたら、1年後の日本でも登場した?
米国ドラマのは、「訴訟ファンド」と訳されていたが、日本に登場したのは、「費用の立て替え」という名目。しかし、勝った場合で弁護士費用を上回った賠償金がとれた場合のみ、料金が発生するということなので、実質投資ファンドと同じことだ。
訴訟額はポイントだ。
米国ドラマでは、分析は最新のAIが行なっており、投資ファンドはAI会社と組んでいた。投資だから当然少額の訴訟額では投資ファンドが得られるリターンは少ないので、大型の案件に投資することになり、少額案件は対象とならない。
日本リーガルネットワークの建て替えも、勝訴額が費用より少ない場合は取り返せない仕組みなので、そのリスクを考慮すると扱う訴訟額はある程度の規模のあるものに流れることになるだろう。
日本の法テラスも訴訟補助の制度があるが、資力に応じて数万円から二十数万円程度で、着手金や実費の範囲で、大きな賠償金がとれるような案件ではなさそうだ。少額案件は、こちらの制度が当てはまりそうだ。
懲罰的賠償制度がない日本では、大型訴訟は資金力のある大企業のビジネスになってくるので、立て替え制度を使わない可能性もある。一方、それ以外で訴訟額が大きくなりそうなのは、医療過誤などが考えられるが、なかなか勝ち目がないといわれているので、こちらはサービス側が勝率分析から敬遠しそうでもある。
勝率7〜8割の案件を引き受けるということだが、その分析がこのサービスのキモとなりそうだ。
先日ご紹介したAIの契約自動支援サービスといい、法律系のITが急に進み始めた。法務ITバブルなのか。
弁護士が率いる会社として立ち上がってきている。法律業務を支援するITは、現行法だと弁護士がトップにいないと弁護士法違反=非弁行為 につながりかねないからか。