半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

戦場のコックたち

戦場のコックたち【読書/映画感想】20200207

 

文字通り戦地に派遣されてコックとして兵士に食事を提供するコックの視点からの戦争体験。

 

あらすじ

戦争に勝つには、武器や兵士や作戦はもちろんだが、兵士が人間である以上戦線を維持するためには食料、食事が最大の重要ポイントだ。戦場のコックは、コックでもあり、銃も取り、戦闘にも参加する。戦死することもある。そして、そうでない兵士からはチキンとバカにされたりもする。しかし、大事なのはチキンが調理して出すチキンだったりする。

作品は、戦場で起こるちょっとした謎を解いていく物語も面白い。生死がかかった中での謎解きはよりスリルに満ちているのだろうか。

 

食わなければ動けなくなる

人間が兵士として戦っている以上、食わなければ動けなくなるし、旨い飯で栄養が行き届かなければ士気もあがらないのは当然だ。また、継続的に補給物資を運び届ける補給路が確保されていなければモノが届かなくなり、前線部隊が孤立してしまう。日本が第二次世界大戦でアメリカに負けた一因にそうした食料や資源物資などの補給路が十分に確保されないまま、前線を伸ばしていったためだという分析もある。

 

威勢の良い話だけではない

一方威勢の良い話だけではないのも真実だ。敵に殺されるよりこっそり寝返るという選択肢だって当然頭に浮かぶ。そうした話はあまり語られないがおそらくたくさんあったのではないだろうか。また、命を捨てるより自傷によって致命的な負傷をして帰還するということもやるかもしれない。そうした行為は部隊や国家にとっても不名誉なので表面化しにくいだろう。でもきっとあったのではないかと思う。

 

平和とは

主人公が、戦地から帰還して米国での日常を眺めて感じるのは「平和」だった。平和とはこういう日常風景のことだと。こういう日常風景とは、壊された家も死体もなく略奪や蹂躙もない情景。すなわち「戦地になっていないこと」だと気づく。侵略したり攻めていかなければ平和か?いや。侵略されたら戦場となり焦土となる。侵略されない場合が平和なのだ。戦わなければ合法的に略奪される。攻められないように、相手が攻めようと思わないようにすることが、国土を平和に保つことができる。それは、外交かもしれないし、自衛の武力かもしれない。いずれにしても、祈りとかではない。

以前、イスラエルの友人が言っていた。

戦略とはなにか?

戦車で戦うことを想定した時点で負けだ。それは攻めて来られる状態を想定しているからだ。相手が進軍してこないように、海路から、空路からこないようにすることが戦略であり、情報戦略戦がキモだと。

 

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戦場にいる身内に送られた家族の写真が笑っているのは、

「それを見るはずのお前が生きていればこそ、家族は笑顔ができるのだ。」

というくだりがある。写真、メール、メッセージ、電話、なんにしてもコミュニケーションの手段の先には、相手の笑顔がある。

それが、すべてだ。

 

関係ある人々の生きている笑顔。

 

それこそが全てなのだ。