「IT管理がうまくいかない」という相談が、うまくいかない【半蔵門ビジネス雑談】20200302
仕事もなが〜くやっていると、以前の取引先から転職した人に声をかけてもらうことが多々ある。コツコツと着実に対応の実績を積んでくれた担当エンジニアの継続努力の賜物だ。素晴らしいことである。
ただ、声をかけてくれた人と当社、当社エンジニアとの信頼関係だけでは、うまくいかないこともある。
例えば、某社の事例。
某社では、社内のIT環境としては、
- プリンター/ 共有サーバーはない。データは全てクラウド。
- とにかくコストをかけない方針。
- 残業代がつかないので自分達でやれば無料(外部に出金しないことが重要)
- 防止ではなく、トラブルが起きたらネットで調べて対応。
という考えが暗黙の了解。
これはよくある話。しかし、落とし穴は、外部にお金は流出しないものの、社員が自分の業務を行わずITの対応をしているので、本来やるべき業務が滞り、かつ、社員の人はタダ働きということになり、ブラック要素が蓄積し、鬱憤が蓄積し、本業がうまくいかない原因となっていく。
先に入社した人の立場からすれば、一番最近入社した人が、全容も把握しないうちからあれこれ口だしするのは、「これまでの苦労を知りもしないで」と思うのは当然でもある。一方で、新鮮な目で見ると、「なぜこんな非効率なことをやっているのか?」と、イライラする。
最終的には、そんな非効率が我慢出来なくなって専門家に相談しようとしても、
社内事情が、”コストを抑えることが最重要課題”となれば、
「ランニングコストが下がるなら」という条件は変わらず、専門家を頼む=外部に費用を払うことになるので、その命題には応えられない。
某社では、これまでの施策も、”コストを抑える”ことが最重要課題であったのなら、過去に担当した人たちも、同じ選択肢を取らざるを得ず、あとから入ってきた人が試みる方策がやはりコストを伴うならば(内部に人材がいなければ、ほぼ確実に外部に委託することになり、コストが発生してしまう)、「それができれば苦労はないさ」ということになってしまう。
斯くして、IT管理がうまくいかないので、外部の専門家に依頼するという方策は、やっぱり今回もうまくいかないことになる。