フレックス再度【半蔵門ビジネス雑談】20200310
フレックスタイム制度。
勤務時間が決まっていたそれまでから、好きな時間にいけばよい、自由で成果を出せそうな気がした。
1988年ごろだった。ある上場企業の企画部門だった私は、社内報にフレックスが始まるという記事を、そんな期待を込めて書いていたものだ。
何かが変わる予感がしたものだ。だが、期待は裏切られた。
コアタイムというものがあった。9時始業のところ、コアタイムは10時から15時。この時間は必ず出社していなければいけないが、10時に出社すればよくなった。朝の通勤ラッシュを避ける人、子供の送迎、ちょっとした用事を済ませる、そんなことに使えるということだ。だった。
だった、はずではあったのだが、
- 朝礼が相変わらず始業時間9時に開かれたり、
- 報告会議が18時ちょっと過ぎだったり、
- 営業会議は9時前だったり、
- 遅くくると早く来ている人から苦情がでたり、
- 早く帰ると、帰社後に頼めないと苦情がでたりして、
ちょっとしたコミュニケーションのための、メールはまだ本格普及していなくて、携帯もなくて、TV会議も通信料金がISDNのため高価で、ブロードバンドもまだまだ普及前、結局、みんな通常時間に来ざるをえなくなり、事実上、遅刻のバッファになっただけだった。
従業員側の成果主義に対する尻込みもあった。
自分一人で達成できない業務、時間が揃わず、コミュニケーション手段も整っていない中で、パートナーが来なければ自分にしわ寄せがくる。結果、通常時間勤務に舞い戻って来てしまったのだった。結局、フレックスができたのは、一部のスタッフ部門社員だけだった。フレックス採用企業も減り、最近ではあまり聞かなくなっていた。
それが再度フレックス採用の企業が増えて来ている。
記事中、守島教授の引用。
- 労基法改正
- テクノロジー発達でテレワークが容易になった
- 自律的に成果をあげる働き方改革への要請
以前の失敗あるいは普及に至らなかったのは、結論的には、「成果主義に耐えられなかった」からだ。今回は、ツールは進化し、制度も整い、もうコミュニケーション不足のせいにはできない。働き方改革という労働側への配慮の皮をまとってはいるが、本質的には能力主義、成果主義への対応が迫られるのだと考える。実は厳しい取り組みだ。
こんな2種類の人がいた。
- アイツは、構想はすごいけど、実績が伴わない。
- ヤツは、実績は挙げているけど、持続的経営の視点がない。。
これからは、2種類の人に、
- 実績につながる構想をし実施する、
- 構想に沿った実績をあげ、組織を牽引するという、
両方が問われる。
ところで、フレックス的制度をこぞって取り入れ始めたのはいいが、聞いているとみんな同じ10時ー4時のコアタイム。これだと、ラッシュ時間がずれただけで、別時間帯のラッシュの中を通勤することにならない????