合法スパイ大作戦【半蔵門ビジネス雑談】20200402
最近はもっぱらiPodなどを使うので、お気に入りのCDのいくつかは、車に置きっぱなしになってしまっている。先日、送迎の待ち時間にふと取り出したのは、松任谷由実の結婚直後の「暗い」アルバムとして有名な、
「時のないホテル」。
このアルバムは、何故か重い曲ばかりが収録されている。家出少女、殺される冷戦スパイ、戦争未亡人、白血病のジョガー、自殺などなど。
アルバムタイトルともなっている「時のないホテル」は、
東側の煙草、イスラエルの星、パフに仕込んだアンテナ、口紅の発信機を持つ男女がやがて広場で撃たれて蜂の巣にされて死んでいく。。東西冷戦とイスラエル戦争のスパイとホテルが題材だ。
冷戦終結して随分経ち、このニュースも20年前だが、米国で、約10名のロシアスパイ(の方々)が逮捕された。4組は夫婦として活動し、モールス信号、短波ラジオ、見えないインク、情報を他のデータに埋め込むステガノグラフィー、情報や報酬の授受は、公園のベンチで同じカバンを交換、空き地に穴を掘って2年後に掘り起こす、などの映画顔負けの手法を駆使していたそうだ。
wired.jp
スパイといえば、映画などの情報からは、"捕まったら大変なことになる、拷問?"と想像する。そして、そうした国防情報を他国に渡す行為などを取り締まるためにあるのが、諜報活動取締法、諜報法。「米国で、第一次世界大戦に参入後の1917年に成立し、国防違反に1万ドル、懲役20年。反戦活動家、左翼の取締まりに使われた。」ものだ。
ところが、この10名が逮捕された容疑は、スパイ容疑ではなく、
外国エージェント登録法(FARA)違反。
これは、「外国機関の代理として活動する組織や個人に、面会記録、財務書類の提出といった報告を義務化し、彼らの情報収集、広報、宣伝活動を透明化させる」法律で、 「組織名や財務内容、接触者、目的などを、6カ月ごとに司法長官に届けることが義務づけられて」いる。諜報活動も登録制?
罰則も、「違反者には5年以下の懲役、1万ドル以下の罰金が科され、外国人の場合は国外退去処分の対象」。
もしかすると、スパイ映画でも、偽造パスポートで密かに入国し。。。ではなく、「ロシアからなんですが、今回は6ヶ月滞在で。あと、訪問先は、ロビイストのA氏とB氏、それから、新型衛星兵器について情報収集します。」「了解。新型衛星兵器は厳重だからうまく入手できるかわかりませんよ。幸運を。」なんて、シーンがでてくるのかも。
ところで、日本はまだまだスパイ天国です。