半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

電車の遅延は誰の責任?

電車の遅延は誰の責任?【半蔵門ビジネス雑談】20200403

 

先日、通勤の為に最寄り駅の電車のホームで待っていると、

「ただ今、お隣の駅で人身事故が発生しました。上下線ともに順次運転を見合わせます。」

とアナウンスがあり、暫くすると、振替輸送の案内が流れた。やれやれ。。。と改札に戻ると、案の定、乗る人、降りる人両方でごった返し、係員が対応に追われていた。

「渋谷にいく振替経路は?」

「バスはどこからでるのか?」
「いつ復旧するのか?」

などの、問い合わせに混じって、

「商談に遅れる!損害だ」、
「迂回する時間がない、タクシー代を請求する」、
「成田に間に合わない、飛行機代を出せ」

などのクレームが聴こえてきた。

鉄道営業法(http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M33/M33HO065.html)では、遅延に関する義務はない。時刻表は、天変地異や不可抗力、設備・車両に異常がないことを前提に計画され、出発時刻も、到着時刻も、「確約」ではなく「見込」である。
従って、当然、上述の損害賠償やタクシー代、飛行機代を支払う義務はないのだが、滅多に遅れないと評判の日本の鉄道に慣れてしまった我々は、ついついそんな理不尽をいいたくなってしまう気持ちは、わからなくはない。


帰宅時の地下鉄のアナウンスが謝っている。
 
 
(1)「今朝のポイント故障による影響で、ダイヤが大幅に乱れたことをお詫び申し上げます。」
(2)「今朝の線路内立ち入りによる安全確認作業の影響で、電車が遅れ多大なご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。」
(3)「今朝の人身事故により、ダイヤが大幅に乱れたご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。」
 

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そんなに謝らなくてもいいのに。。。
この謝り過ぎに感じるくらいのお詫びはなんなのだろう?

(1)は、原因が鉄道設備の一部の故障だ。鉄道を運営する会社として、管理する部分であり、故障が起きないように点検しているだろうから、故障が発生して、それが運行に支障をきたし乗客に迷惑をかけたので、乗客にお詫びすることは当然だと思う。

(2)は、線路にモノを落として拾うために咄嗟に降りてしまったのだろうか。あるいは、写真でも撮ろうとして地上の路線に立ち入ったのだろうか。鉄道会社としては、そのような「立ち入り」が発生しないように注意するあるいは警備する義務があるのかもしれない。または、事故に繋がった場合の管理責任を問われるかもしれないから、安全確認は必要だろう。
 
しかし、そもそも立ち入った人が悪いんじゃない?

(3)は、いわゆる飛び込みの人身事故。駅係員はホームにいて注意を払っていると思うが、多くの場合、こうした事故は、計画的ではなく、衝動的、突発的なものと見なされている。精神状態は一時的な精神錯乱状態と考えられているそうだ。この場合、鉄道会社のお詫びは何に対してなのだろう。いかなる原因にも関わらず「ダイヤを守れなかったこと」に対するお詫びなのだろうか。

どんな理由にせよ、顧客である乗客に遅延をもたらしたことに対して、サービス提供者としてのお詫びなのだと思うが、"制御する範囲を超えた"乗客の行動が原因なのだから、そこまで平身低頭謝る必要もないように思ってしまう。

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でも、触れたように、公共機関=有って当たり前、サービスして当たり前、なんでもいっていい、ではなく、消費者(この場合、乗客)は「単にクレーマーではない 建設的に意見して、社会貢献も意識したステイクホルダー」としての市民=消費者市民」であるべきだ。

鉄道のアナウンスも、何でも自分が悪う御座いましたにしないで、乗客が守るべきことはしっかりと述べた上でのサービスを行っていく方が、健全に持続可能なサービスに繋がるのではないかと感じている。


「駆け込み乗車は思わぬ怪我をすることがありますのでお止めください。」
「無理なご乗車は危険です。また電車遅延の原因となりますので、ご遠慮ください。」
ここでは、ビシっと言っている。遅れは、駆け込み乗車が原因だよ!と。

ところで、
駆込み乗車で、ドアにマフラーを挟まれた学生さんへのアナウンス
だそうだ。
厳しく言わなくても、こんな粋な言い方もいいね。

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