半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

やっぱり歴史は繰り返す

やっぱり歴史は繰り返す【半蔵門ビジネス雑談】20200408

 

Twitterにアクセスすると、突然フォロワーが増えていることがある。新しいフォロワーにアクセスしてみると、アダルトページへ誘導されたり、「今まで秘密だった金儲けを貴方だけに教える」と謳った、フォロワー20,000人の濡れ手にアワを謳ったビジネスサイト。

メールソフトの迷惑メールフォルダには、

  • 私宛に届いた何やら秘密めいたメールを預かっているので、サイトにアクセスするように促すメールや、
  • 一番安いバイアグラの情報や
  • ナイジェリアの秘密資金を移動される手伝いを募集する勧誘、
  • 「あなたが一番好きな写真」と思わせるようなタイトルのファイルが圧縮されて添付されたメールなどが、

毎日100通以上届いている。

2001年に、マサチューセッツ大学のEthan Katsh(イーサン・カッツ)教授と, Janet Rifkin(ジャネット・リフキン)教授が著したOnline Dispute Resolution: Resolving Conflicts in Cyberspace(http://www.ombuds.org/center/pubs.html)では、ごく初期のオンライン事件について記されている。

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1990年ころ、emailの普及とともに、チェーンレターによるシステムトラブルなど、トランザクションに関わる紛争が始まったと述べられている。今で言うスパムメール。  
1994年ころには、「電子の恋人事件」が発生した。これは、異性に成り済まして、精神的な損害を与えた所謂、性別詐称事件だった。

こうして見ると、20年たった今も、オンライントラブルの根っこは基本的には変わっていないように見られる。ただ、当時はまだ、軍需利用と大学による利用が中心だったインターネットで、当時の利用規約には、「商業利用の禁止」が記載されていた。現在は、電子商取引によるトラブルが大きな割合を占めてきているのは、以前にも書いた通り。

このブログの扱うテーマの一つである、「ODR(Online Dispute Resolution)」とは、「オンラインでの紛争解決」だが、大まかには、

(1)オンラインで起きた紛争を解決するということと、

(2)紛争を解決する手段としてオンラインを活用する

という2種類がある。

前者は、電子商取引のトラブルや、オンラインでの口論(掲示板での口論やののしり合い:所謂"祭り")など、オンラインで起きたオンラインならではの紛争を、起きた場所=オンラインを活用して解決すること。

後者は、商取引や民事紛争など実際の紛争解決を行う交渉手段としてオンラインを活用することをいう。アイデア次第で様々な使われ方が考えられ、例えば、オーストラリアでは、裁判の召喚状をSNSで正式に送付したという例も見られる。

www.afpbb.com



さらに紛争、法などに絡んで、新しい使われ方もでてきている。

news.livedoor.com


facebookに違反告発のアカウントが設けられ、写真付きで違反が告発され、"効果"をあげているとのこと。ナンバープレートまで写っているそうなので、プライバシーの問題が心配だが、「今までにウソの情報はない」とのことで、当局は奨励しているとのこと。 これはまだ、いいが。。。

b.hatena.ne.jp


こちらでは、題名のような物騒なリストが掲示され、実際に3人が被害にあっているとのことで、当初は冗談と思っていた警察も真剣に対応をしている。

紛争解決を目指したいが、マッチポンプのように、紛争の原因が湧き出てきてしまう。。。どうして歴史は繰り返してしまうのか。。。