奇しくも進む紛争オンライン【半蔵門ビジネス雑談】20200616
敢えてODRとはいわないでおく。
コロナ禍で外出できないのは紛争解決関係者も同じだ。日本でも海外でも急速に遠隔での紛争解決が進んでいる。
世界のオンライン裁判所(Remote Courts Worldwide)に関するプロジェクト。
サスカインド教授が開始した世界のオンライン裁判所(Remote Courts Worldwide)に関するプロジェクト。
日本ODR協会のサイトより世界のリモート裁判所の目的の訳を抜粋。
コロナウイルスの流行が拡大し、世界中の裁判所が閉鎖されています。そのような状況の中、このウェブサイトが目的とするのは、裁判官、弁護士、裁判所職員、訴訟当事者、法廷技術者など司法の関係者が、従来の裁判所における審問に代わる「リモート(遠隔)裁判所」の経験を共有できるようにすることです。
ここでは、オンライン裁判に関する情報が一覧できる。紹介されているのは、ドイツ、アメリカ、スペイン、インド、英国、エクアドル、ナイジェリア、ペルー、アルゼンチン、オーストラリア、ウガンダ、ブラジル、南アフリカ共和国、ラゴス、バングラディッシュ、マン島、イタリア、アゼルバイジャン、ポーランド、ノルウェー、ルーマニア、ハンガリー、チリ、カタール、中国、ケニア、ドバイ、オランダ、シンガポール、イスラエル、そして、日本。
日本では、MS-Teamsの採用の件が紹介されている。記事は司法関係者ではないようでマイクロソフト社のコメントである。
仙台弁護士会がADRにzoom採用
ADRはオンラインでの手続きが導入しやすいところだ。年初に仙台でのADR推進のシンポジウムに出席してきた。その時の印象ではまだ進みそうもないと感じたが、環境変化により一気に進んだようだ。
リモートで初の死刑宣告
シンガポールはODRの分野でも進んでいるが、ついに死刑宣告がオンラインで行われた。
手続きがオンラインで行われる驚きはないが、死刑宣告がオンラインで行われるということにはショックを感じる。自分の死刑がzoomで宣告されたら意義申し立てたくなる。それだけが理由で申し立てたくなると思う。メールで振られるのと同じショック度合いだ。怒りをぶつける先もない。
手続きの種類によっては手間暇をかけることで意味合いがでてくるものもある。
日本でなかなか進まなかったオンライン紛争解決。これまたコロナという「外圧」で進むことになる。