サザンが見せたライブ配信のビジネスモデル【半蔵門ビジネス雑談】20200717
6月25日我が青春のサザンオールスターズはデビュー42周年を迎え、新横浜アリーナで無観客ライブを行い、有料ネット配信を行なった。視聴料は3,600円で、ブラウザからの会員番号などのログインで視聴可能となる。
うちでは、Macbook AirをHDMIで大型のTVに繋いで、部屋を真っ暗にしてライブ会場風に自己演出。音声はTVのスピーカーに依存するが、ある程度大音量で、ライブさながらの雰囲気を味わった。ファンクラブに入っていても抽選にあたりにくいので久々に楽しんだ。
コロナ禍で実際のライブが行える目処はたっていないし、実行して感染クラスタの原因となったりすればアーティストも会場もダメージを受けるので、なかなか実施までの道筋は見えていない。しかし、大きな収益源であるライブができなければビジネス破綻になりかねない。アーティスト本人だけでなく、所属オフィス、フリーのエンジニアやパフォーマー、会場、関連消費財等々、関わっている多くのビジネスにも支障をきたす。
サザンオールスターズの試みは、いったい、無観客で有料配信はビジネスとして成り立つかという試金石になるだろう。
新横浜アリーナは収容17000人。最近のライブチケットだと9000円以上はしていたので、満員で1.5億の売り上げか。それで収支がどうなっているのはまではわからないので、詳細には踏み込まない。一方、有料配信で3600円、40000人の視聴契約で1.44億ほぼ同じになる。
翌日の報道で視聴は50万人とのこと。契約数なのか一緒に見た人数も含めてなのかはわからないが、2人で見たとしても、25万人9億近くか。すごいことだ。(チケット購入者は18万人だったそうだ。6.48億の売り上げ。それでもすごい)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60817470V20C20A6000000/
現場の映像撮影と中継システムがしっかりしていれば、視聴している観客にとってアーティストは、まるで会場に観客がいるように演奏し、語りかける。そして
「画面の向こうのみんな〜〜〜」
と実際の観客にも+アルファ的に語りかける。配信サーバーは十分な仕組みにだろう、満足のいく配信ができていた。実際のライブでも遠い席なら会場の大スクリーンを目で追うことが多いのだから、それほど違和感はない。
アーティストが会場を煽るとそれに応える歓声は録音された歓声がいいタイミングで被せられ、まるで会場にいる観客の歓声に聞こえるように処理できていた。アンコールの手拍子しかり。
会場のアナウンスでも、
「立ち上がったり、飲食したりしながらの鑑賞は。。。今日はオッケーです。」
といっていたように、ご近所迷惑を各自気をつけて好きなように楽しめばいい。リラックスして、周囲を気にせず楽しめるのはライブ配信の大きなメリットになるだろう。
さらに進められれば、人数を減らした会場とライブ配信をハイブリッドで行うモデルも楽しめそうだ。
大型のTV、VRゴーグル、サラウンドスピーカーなどが揃えられれば、更に質はあがってくる。
サザンは、42周年の無観客ライブ実験で、ライブ配信のビジネスモデルを見せてくれた。