ウェビナーか、ミーティングで一斉制御か【半蔵門ビジネス雑談】20200925
年に何回か特定多数に講義というか、お話をさせていただける機会がある。数名から数十名まで。たまに100名を超えるケースもある。歳もとって、心もマヒしてきたせいか、アガってしまうこともなく、いやな質問されてもへーきだ。寝ている人もいるし、雑談する奴らもいるし、途中退席してしまう人も視界の隅に捉えるが、へーき。へーき。なぜならちゃんと聴いてくれている人の姿が見えているからだ。
で、最近はTV会議でそれをやることになる。
以前から海外在住の日本のコンサルタントが、ウェビナーという名称で、無料、有料の講演を行なっていて、自分も何度か聴講参加してきた。こちらの顔は出ないし、途中退席も気軽にできるので、気軽に参加していた。挙手する機能やチャット、Q&Aもあって、双方向のやりとりもできるので、あまり不自由には感じなかった。
ウェビナー
ウェビナーというのは、Webとセミナーの合成ワードだ。Zoomなどに搭載されている講演モードとでもいおうか。講演者と司会者は顔を出すが、他の参加者は顔どころか参加しているかどうかも他の参加者にはわからない。主催者は、誰が参加しているか、何名参加しているかをシステムから把握できる。質問者に個別に発言を許可したり、顔を表示されたりする制御も可能だ。設定によっては、講演者も参加状況を把握できないことがある。
TV会議スピーチ
ウェビナーを使わない場合は、通常のTV会議モードで、参加者の顔も見えるし、誰でも発言もできる。スムースに進めるために、主催者の権限で、参加者のマイクを一斉にミュートできる。主催者は講演者が話すときに、講演者だけマイクを解除して、場合によってはスクリーンを固定して、全員が講演者の話を聞いている状態にすることができる。講演者も誰が何名参加しているかを把握できて、いわば、リアルな講演をしているときに近い感覚だろうか。
実施例、参加例、感想
これまで視聴者として何回かどちらの形式にも出席した。
・ウェビナー
海外在住のコンサルタントによる現地レポート(視聴者)
国内リーガルテック系会社のセミナー(視聴者)
・TV会議スピーチ(ミーティングモード)
学会の年度シンポジウム(講演者)
海外主催のイベントへのゲストスピーチ(講演者)
交流団体の例会スピーチ(講演者)
孤独感
ウェビナーには講演者としての参加はなかったので、気がつかなかったが、先日参加したウェビナーの講演者と情報交換したところ、
「参加者がいるのかいないのかわからないので孤独感が半端ない」
とのコメントがあり、ハッとした。
冒頭に書いたように、実際の講演なら反応が見えるので、仮に全員が会議室から退出してしまっても徐々に心の準備ができる。しかし、いるかいないか、聞いているのはいないのかわからないのは、如何ともし難い。ただ自分だけが想像をしてモンモンと悩みながら話をすることになる。質問を積極的にしてくれる聴衆ならよいが、日本だと”最後まで聞いてから質問する”的な暗黙ルールが守られたりして、話している間の孤独率はたかそうだ。
少なくとも参加名簿が表示できれば、講演者も自覚できるので、よいだろう。さらにいえば、アイコンでいいから参加者の画面も表示しておいてほしい。聴衆があってこその講演であり、今のご時世の無観客のスタジオ収録をしているTV関係者の心持ちのようになるのは想像できる。
これまで自分自身が講演した「交流団体の例会スピーチ(講演者)」「学会の年度シンポジウム(講演者)」は、TV会議スピーチ方式だった。主催者の制御は大変にはなるが、視聴者の参加意識も、講演者の意識も、リアルに近づきいい効果を生んでいくことは期待できる。