リモートワークの達人【読書/映画感想】20201005
今更ながらこのタイトルだが、実は2014年発行の文庫化。技術ではなく経営者よりの内容だ。
- 最初からリモートワークだった仕事
確かに仕事するというと、皆で顔を突き合わせ意見をぶつけ合いアイデアを出し合い一つの成果を世に送り出していくことが浮かぶ。その場所は、「会社」「オフィス」であった。でも、会社にいったとしても、その活動の実際は、会社という場所の中ではなかった。
そもそも仕事そのものの大部分は最初からリモートであるのだ。
例えば、以外と意識していないのが、会計士、経理業務、税理士、弁護士、弁理士など、会社機能に必要な専門的仕事の担当者は、会社にはいないことが多いのだ。言い換えれば、いなくてもいいのである。
また、そもそも、営業や技術部門のエンジニアに顧客にひとりで行かせることだって、その間に監視しているわけではないし、任せて自分でやってもらっているはずだ。これだって管理者から見ればリモートワークだ。
- リモートワークでサボり出す?
リモートワーク懐疑派の意見は、監督ができない、サボるだろう、評価ができないなどだろうか。
リモートワークでサボり出す? 在宅ワークではみんなが、いやもうすでにサボっている。ある統計では、デスクワーク中のネットアクセスのうち30%はYoutubeの視聴だったという。
- リモートワークは信頼だ
成果を出せないスケジュールを守れない社員がいる?それは採用が間違っている
シンプルに、信用できない部下を雇うな、信頼できない上司のもとで働くな、信頼してくれない上司の元では働くなということ。
リモートワークは信頼すること。リモートワークは信頼に応えることなのだ。
それだけだ。
- 問題はOJTか?
こうして考えると、要するにみんなプロフェッショナルで、仕事の結果に信頼できるのなら、リモートなど何の問題でもない。それでも、企業組織でリモートに不安要素がぬぐいきれないのはなぜだろうか。
それは、例えば新入社員が一人前でなく、その育成の義務は上司にあるからではないか。OJT(On the Job Training)として、各業務のやり方を見せながら、一人でも業務をこなせるように育成することが重要だからではないか。日本ならでは。新入社員でなくても、新しく組織内異動で配属された人には同じような育成を必要とする。これも日本ならでは。
すると、育成のカリキュラムがオンラインなどでできるように整備すればいいのか。または、異動に際しては、着任前に育成カリキュラムを受けて身につけてから異動となるようにするか。
ちなみに米国流だと、リーダーを育てるという考え方はないという。
そもそもアメリカ企業では、仕事のできない社員は自然淘汰されていきますから、「リーダーは育てるもの」という発想がないのです。
この課題、日本ならではの制度の弊害かもしれんな。