封印再度 Who inside?【読書/映画感想】 20201020
「すべてがFになる」で始まった犀川助教授と西之園萌絵が事件に首を突っ込む森博嗣氏のS&Mシリーズだ。第5巻となるこの作品では、すでに両名は警察でも有名になっていて、そのあたりは余計なゴタゴタがなくて効率的。鍵は壺の中にあり、壺は密室の中にあり、秘密は入れ子になって、最後の秘密は鍵の中にあるというメビウスの輪かクラインの壺か。
取り出せない壺の中の鍵とその鍵でないとあかない箱。そのトリックは一度解かれている。解いて箱を開け、また閉じて、鍵の壺に戻した?自殺して凶器は箱の中に?でも、壺の中の鍵は取り出せるサイズではない。鍵を出すのに壺を壊してはいけないという。
倒れた萌絵は、大丈夫なのか?狼狽する犀川教授はどうする?
アマゾンサイトにある白い表紙のバージョンが欲しかったがケチったら黒い表紙になっちまった。
言葉は、その言葉自体が表すはずの辞書的な定義からはずれて、いや、発展して別の意味を表すことがある。そういう現象に溢れている。
おもちゃが動かなくなる。子供にどうして?と聞かれると、大人はそれを点検して、「ああ、電池がなくなったんだ」という。子供はおもちゃをいじって、電池のいれてある蓋を見つけて開ける。
「電池はあるよ?」
大人は、電池のエネルギーがなくなったことを、電池がなくなったというんだと説明する。
「なくなってないのに、なくなったの?」
なんていえばいい?
電池の中に蓄えられていた電気エネルギーが全部外に出てしまった状態?それを言葉で覚えるとしたらなんとややこしや。やはり、電池がなくなる、正確には、「電池(の中に蓄えられている電気エネルギーが全部放出されて)なくなった」、ことを()内を省略して、「電池がなくなる」というのが、実用的な言葉表現なのだろう。
富士山は、富士3じゃないし、階段から落ちて人が亡くなったのは、いなくなったのではない。
PCは、決して立ち上がらないし、Windowsはスタートしないし、OSは走り始めない。それでも、PCが立ち上がるまで時間がかかるし、スタートボタンを押して作業が始まるし、OSはいつも走っている。
Who inside?あの時誰が中にいたのか?開いた箱はまた封印されてしまったのか?
昔、イスラエル企業との企業紛争で仲裁となり、証人として証言したときに、私が送ったメールに、
「こちらの行為は、いつもと違う」といいたくて、つまり、
「It is unusual(アニュージョアル)」と描きたかったのに、タイプミスで、
「It is unsual(nとsの間にuがない)」と書いてしまっていた。
相手は、それを、usualと書こうとしてタイプミスでuとsの間にnが入っていると主張し、
「万代は、(それは普通のことだ)と言っているじゃないか」
と主張してきた。
言葉は重要で、だからこそ注意深く慎重によく考えて言葉を選び記述しなければいけないのだ。
ところで
Who inside?
封印再度?
ダジャレじゃねーか・