月の満ち欠け【読書/映画感想】20210107
人間も動物も、子孫を残す。植物が種子を土に落とし新しい芽が出る。そうやって種を引き継いでいく。個の人格や記憶は引き継がれないが、種、種族は継続していく。
では、月がかけ、沈み、また現れるように、「生まれ変わる」ということがあるのだろうか。
思うに、そもそも”自分の記憶”は、本当に”自分の”記憶なのか。実は誰かの生まれ変わっての記憶でないという保証はない。自分でもわからないし、周囲が見てもわからない。実は自分も生まれ変わっているのかもしれない。デジャヴュなんてのもそれの一種なのだろうか。自分が生まれた日の少し前に亡くなった誰かの生まれ変わりの可能性もありうる。没年月日を調べてみたくなる。
そしてまた、自分が死んだとして、誰かに生まれ変われるのだろうか。生まれ変わる?人間に生まれ変われるとは限らない。生まれ変わったらスライムだったという漫画?小説?もある。生まれ変わって、心残りをもう一回やり直す?それはそれで根性がいりそうだ。一度失敗して心残りなのだ。また失敗するかもしれない。生まれ変わったからといってチャレンジできるのか。
作中では、ある年齢で高熱を出してから、意識が、記憶が変わるということになっている。それは生まれ変わるというより、記憶の取り戻しだ。ということは、記憶や意識にあたるものが、どこかを漂っているのか。あるいはどこからか降り注ぐのか。バックアップディスクからダウンロードするかのように。
「高校時代に戻りたい、 あの時に戻りたい」なんていうつぶやきを聞くことがある。タイムマシンがあるとすれば今の人格として戻るのか? それだと別人として戻らないと同じ人物が二人存在してしまうから様々な矛盾が生じる。決して 近くでは暮らせない。同じ人物として戻るなら記憶だけ維持して戻るなら人格乗っ取りみたいなもんだ。ある家族に中に戻るのなら周囲の記憶も変更しなければならないから、結構大掛かり?
それもまたあれだな〜〜〜〜。