VS重力
人生初リハビリを体験している。
都合ほぼ1ヶ月寝ていて足も動かしていないので、まずはスタート地点。
右足のリハビリとは、右足を動かすことだ。つまり右足の神経や筋力のリハビリと理解していたが、それ以前に、体自体が重力に対抗できないと、足を動かすレベルにはならないのだ。
寝たままで足を動かすだけだと、足は重力でベットにへばりついている。まずはそこからだし、持ち上がらないまでも横に動かせるようになった次の段階として、立つためには、座れないといけない。座ってそこから、立つためには座った状態が安定しないといけない。そこで初めて重力に対して足を踏ん張り、 体を持ち上げるのだ。ここからリハビリが成り立つ。67kgを持ち上げる。1ヶ月寝ていて筋力が衰えた体に重力は容赦ない。りんごも木から落ちる。筋肉が弛緩したお尻の肉はベッドの淵の枠組みが骨を直撃する。座ること、骨、重力、激痛。
他のリハビリにも「起きている」ことが関係する。
典型的なのは排便。寝ているだけだと腸の動きだけでは下に向かわせることには限界があるそうだ。起きていること、動くこと、歩くことにより、重力の力を借りながら「落ちてくる」ことで、スムースにいく助けになるのだそうだ。
足の力だけでなく、腰、腹筋、背筋、首、背中、総動員して人間は立っている。第一歩として、椅子やベッドで座ることが重力に抗い、 立つことへの土台となる。
VS重力おそるべし。