デジタルトラベルパス【半蔵門ビジネス雑談】20210312
最後の海外出張から1年
一番最近の海外出張は、2020年1月のインドネシアだった。丁度、中国で最初の新型コロナウィルス感染が確認された直後だった。その後のコロナパンデミックは不要不急はもちろんそうでない海外出張も止めてしまった。自分が関連する研究フォーラムやイベントも軒並み中止か無期限延長。来年開催予定のイベントもすでにオンライン開催がアナウンスされ、副議長を務める国際連携の年次総会もオンライン開催、その後の運営上の課題を検討するミーティングもオンラインになっている。
躊躇させる実態
感染症そのものの問題はもちろんあるが、実際にイベントをストップしているのは、移動を制限する出入国である。つまり、出国の制限と相手国への入国の制限。制限は、感染症に対する検査、検査結果が出てからの「隔離」期間である。大抵は、ウィルスへの陰性確認後2週間隔離される。これは実質的に渡航を諦めさせている。2〜3日のイベント参加に対して、2週間の入国前隔離、つまりイベントの2週間前に入国し、さらには、帰国後も2週間の隔離を余儀なくされるのだからほぼ1ヶ月隔離されるのだ。調印式など物理的に会わなければいけない会合でない限りは、延期またはオンラインで行うほうが合理的、現実的になる。
この結果、航空業界は打撃を受けている。観光と並んでビジネスの往来もストップしている。
航空業界デジタルトラベルパス期待
打撃を受ける航空業界は、スマホにインストールしたAppで、陰性、ワクチン接種済みをデジタル認証し、スムースに通過させ隔離の免除を行えるようにしようとしている。キーとなるのは、「信頼」だ。検査を受ける乗客はその検査と結果に確信を持てるかどうか。また、各国の政府が、乗客が申告する検査結果が自国基準と合致していると信頼できるかどうか、それがポイントとなる。
偽造防止
もう一つの課題は、同じ役割を果たすWHOが発行するワクチン摂取証明書イエローカードは、紙製で、偽造のリスクがあるものだ。実際、ユーロポールやマレーシアで偽造カードが見つかっており、カード方式では偽造のリスクがつきまとう。
航空業界が始めようとしているのはApp=デジタルトラベルパスというもので、隔離なしの移動に期待をかける。しかし、ワクチンの普及にもまだ時間がかかりそうであり、検査とワクチン証明のデジタルパスこそが国境を再び開くためのソリューションだと言っている。
ただねぇ。スマホだと、紛失や壊れる場合、アクセスできない場合など、別の懸念もあるからなぁ。そのトラブルが起きないようにできればいいのだけど。海外で、デジタルトラベルパスがデジタルトラブルでパスできずじゃあ、笑い事じゃない。