ジョークで予測した未来【半蔵門ビジネス雑談】20210629
1996年。イスラエルとのビジネスで最初にモノになったのはビデオ会議システムだった。同国は軍需技術大国で、衛星画像の圧縮/伸長技術が進んでおり、これを応用したデジタル動画の再生の先鞭をつけていた。MPEGという圧縮技術は記憶に残る。
当時担当だった同僚たちは、企業だけでなく一般の需要がないかを発掘するために苦労していたが、それはそれで楽しそうだった。ある担当が売り込んでいた都道府県知事のTV会議ネットワークなどは今ではすっかり実現し実用されているし、TV会議参加による取締役会も実用レベル、当たり前になっている。
私は担当でなかったので、せいぜい会議にでてはいたものの、マーケティング的な思いつきを述べていたに過ぎないが、例えば、幼稚園に設置してパパママが勤務の合間に我が子を覗ける「観て見てママ」などを企画し、実際に幼稚園に説明に行ったこともあった。
一番ジョーク的に話題にしていたのが結婚披露宴。いずれ、各席にはカメラ付きの首振り液晶モニタが設置され、出席者は全てバーチャルで行われるようになるのではないかと酒の席の話題にして、「まさかねー」と笑っていた。
26年経ってコロナパンデミックの今、土曜日の朝のTV番組を見ている。そこで放映されているのは、大阪のスタジオに2人のレギュラータレント、その隣には、上半身が等身大に映るサイズの薄型液晶モニタがテーブルを前にして数台設置してある。各モニタには東京のスタジオや別の場所からのレギュラータレントとゲストがそれぞれ映し出されている。まるで、あの時ジョークで使った結婚式のようだと思い出した。その場にいない人がモニタに映し出されることで、そこにいるように扱われる様子.ジョークは実現したようだ。
そしてそのほかにも、こんなことをジョークめかして口にした覚えがあるだろう。
メガネに映し出されるモニタの映像
自動運転される車
人間と会話できるコンピュータ
電話ができる時計
ジョークで予測できる程度の未来は実現する未来だ。