認証ADRウェブ会議法務大臣の認証を要せず【半蔵門ビジネス雑談】20210929
2020年の始めだったか。法務省の企画で仙台法務局で地元のADR関連事業者の方向けにODRの講演をさせていただいた。海外の事例が多かったそれまでと変わって国内の動向が活発化してきていて、ODR活性化検討会や法律系の学会でもODRが取り上げられていた。これらはコロナ以前からの動きなので先駆的だったと言える。その後、コロナ禍の嵐が吹き荒れ、対面式のあらゆるものがweb会議での代替策に代わって行ったのは記憶に新しい。今もこの動きは続いていて、最近ではマンションなどの住民による管理組合の理事会などもweb会議で行うことができるようになりそうだ。
ここでもそうだが、新しいことを行うに当たっては、規約の改訂やそのための検証、そして前例がある、ないがいつも議論される。新しいことを始めるのに前例があるないを理由にするのは以前から”何それ絶望感”を抱いていたが、法務省は流石の方針を出したな。
法務省、認証ADRへのオンライン化変更申請不要へ
認証紛争解決手続の期日の実施方法について,対面の方法に加えて,ウェブ 会議又はテレビ会議の方法によるとする変更であって,秘密保持に関して一定 の措置を定めたものについては,法務大臣の認証を要せず,届出で足りるもの として,ガイドラインに例示するもの。
冒頭の仙台での講演でも、参加者の方から「認証のとり直しが必要か?」とか「認証の変更をしたら5万円かかると言われた」などの苦情的な声が聞かれたが、今回出されたガイドラインは少なくとも認証は不要だという見解。これは朗報であり、ADRの手続きでweb会議が使えるということは、とりわけコロナ禍環境では認証機関にも当事者にもメリットが大きい。
ODRの目的には、司法へのアクセス改善やそれによって泣き寝入りを減らし、法への信頼を高めるということがあるが、この英断はこれらへのアクセルを蒸すことにつながることになるだろうと期待する。
でも、まだ道は入り口付近。IT業界は無反応に近い。