半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

日本ODR協会 研究会#2 諸外国のODR状況

日本ODR協会 研究会#2 諸外国のODR状況【たまプラビジネス余談放談】20211203

 

11月22日、日本ODR協会主催の研究会#2 「諸外国のODR状況」についてお話を伺がった。講演は、同協会理事で立教大学法学部特任准教授の渡邊真由先生。同協会は私もアドバイザー(予定)を務めさせていただいている。

japanodr.org

 

ODRの分野は、まさに黎明期で動きが激しく「少しサイトを閲覧していないと、仕様が変わったり、サービス停止していて、キャッチアップが欠かせない」(渡邊准教授)。確かに、今回も初めて聞くサービスがいくつも紹介されていた。

世界的なパンデミックは一気にweb会議をベースにしてODR的な動きを進めた。かつてSARS重症性急性呼吸器症候群が流行の兆しを見せた際にもTV会議システムを拡散しようという動きがあったが世界的にはならなかったためシステムの普及も腰砕けになってしまった。またその際はweb会議システムではなく専用システムだったため値段や機器導入のシステム的ハードルも高かったこともある。今回はITシステム側の成熟度合いやインターネットインフラの普及度合いも進んでおり、「ITシステム利用への懸念も払拭されていた」(渡邊氏)ことも一つの要因だろう。

発表で目を引いたのは、ODRの分類として、組織に着目した分類がなされていたことだ。すなわち司法型、行政型、民間型としてそれぞれのプレイヤーを紹介している。カオスマップになるほどの数のプレイヤーは登場していないが、今後の動きを整理する上での一つの指標になりそうである(私が用意している資料では技術的な観点での分類をしている)。

事例としては、民間型がやはり活発化している、JAMS、FairClaims、eBay、Airbnb、

各種離婚手続きサービスに加えて、養育計画支援など周辺のサービスも登場している。

同じプラットフォームを利用したODRも増加していて、システム事業者の競争、競合も始まった。

アメリカだけでなく、EU事例でも、数年前のADR指令、ODR規則が法制化されたことにより、eCommerceを中心に動いている。航空機トラブル、民間陪審と仮想通貨を絡めた仕組み、交通違反、住宅関連、返金返品など類型別のODRが登場しているそうだ。

司法型ではカナダの事例が目立っている。そのほか時間の関係で説明は省略されているが資料では広い範囲での具体事例が紹介されている。

 

研究会は次回もDSD(Disute System Design)などの新しい考え方が紹介される予定であり、研究会での参加者も多数で、現状はどちらかといえば出遅れている感のある日本でのODRもキャッチアップしていく期待が持てる気配を感じた。

 

詳細は、日本ODR協会のサイトへ。

japanodr.org