一度も撃ってません【読書/ 感想】20220201 (はてな 記事 2396)
2019年、石橋蓮司主演のハードボイルドコメディだが、超豪華出演者が揃う。
殺しを引き受けるが実は一度も本当に撃ったことがない伝説のヒットマン御前零時(ごぜんれいじ)に石橋蓮司、その妻に大楠道代、殺しを依頼する辞め検に岸辺一徳、 投資詐欺師に江口洋介、中国人ヒットマンに豊川悦司、本当のヒットマン妻夫木聡、警察の悪人 柄本明、他に小野武彦、濱田マリ、井上真央、そして元ミュージカル女優に桃井かおり。
石橋は一発屋の売れない小説家で、ヒットマンに依頼した殺しの様子を聞いてそれを小説にするが全く売れない。やがて本当にヒットマンに狙われてしまうが、そのヒットマンもまた・・・というオチ。映像はハードボイルドだが中身は喜劇、コメディ。
「コメディ」と謳われているのだからコメディに決まっているのに、ハードボイルドな石橋蓮司には「本当は怖い素性」を期待してしまい、岸辺一徳には「更にある裏」を想像している。江口洋介は「実は正義の味方」であってほしくて、豊川悦司は「潜入捜査官」であってほしかったが、いずれもそうではなく、素直にコメディ映画が進行する。何か起きそうで、何も起きない。
そこがまたいい。
最近、映画観てもピンとこない。タイトルに惹かれて見ようとするのだが、概要を読んで、主演の顔を見ると、もうそこで観る意欲が失せてしまう。新しい映画であればあるほど、観て時間を無駄にするのかもしれないと思うと躊躇してしまう。その結果、過去に観たことがある映画かTVドラマに走る。
それからアクションが嫌いなわけではないのに(Mr. ノーバディとか、 ジョンウィック とかよかった)アクションを見たくない。ラブストーリー嫌いでないのに、なんだか気持ち悪くなる、コメディ好きなのに白けてしまう。
最近見ることができたのは、邦画では、「団地」、「地下鉄に乗って」、ドラマ「僕の姉ちゃん」「スナック キズツキ」そして、今日の「一度も撃ってません」。
どれも山場なく(あるんだがとても小さい)進行し、大円団でもなく終了する、そして主人公が淡々としている。それがいいのかもしれないな。人生の山場を期待しつつも、まったく平坦な道、とても身近な普通の人生が描かれていることが。
それがまたいい。
(はてな 記事 2396)