半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

ニュアンスコミュニケーション

ニュアンスコミュニケーション【たまプラビジネス余談放談】20220303

 

「オンラインになるとなかなか雰囲気が伝わらない」と言う話はよく聞く。

リモートワークでは、実際に会わない。 仕事に関係する誰かとすれ違うこともないし直接に目線を交わすこともないし もちろん直接会話を交わすこともなくなっている。 リモートでない時なら、誰かとすれ違えば雰囲気の違いは感じ取れるかもしれないし、 アイコンタクトでなんらかのニュアンスを伝えることもできるし、話がしたいことを匂わせることも可能だ。

オンラインとなるとこうしたすれ違いの際にニュアンスを感じ取ること、目線を交わすこと、会話を秘密に交わすことや、雑談することなどで「なんとなく」を感じとることも難しくなってくる。 ウェブ会議では目線を交わすのは、仮に画面でそのように見えてもお互いに見ているのはカメラなので実際の目線は合っていない。もし顔を見ているような場合でも、お互いはやはり画面を見ているのでそれぞれの目線は違うところに行っているように見える。”目線でニュアンス”は難しいだろう。

 

それでも使い慣れてきたせいか、オンラインですれ違い時にニュアンスを伝えるような、何か連絡を取りたいことがあるんだよと匂わせるようなことが、できるのではないかと言う事を体験しつつある。

 

我々が使っているオンラインコミュニケーション手段は、いくつかある。オープンなSNS、SNSでのいいねなどの意思表明、SNSでの直接のメッセージ交換、ブログによる意見・主張の発表、ブログに対する反応、古くからある1対1のメール、メールの同時配信、最近では、Web会議、Web会議による個別会話、Web会議による講義や配信、、ざっと挙げてもこれくらいは誰もが体験している。SNSでの”既読を知らせる機能”も「読んだ、いるよ、聞いてる」というコミュニケーションだ。

それぞれ単独では、オープンの場所として自分の近況を書き込んだり、それに対する反応や意見を書き込んだりする。意見を読んだよとか賛成だよということを伝えるためにイイネ等ボタンを押して意思を伝える機能がついている。 自分の意見をしっかりと自由に伝えることができるブログもある。顔を見ながら声や表情、身振り手振りも交えてコミュニケーションできるWeb会議。

 

それでもまだ難しいのは「話したいことがあるんだけどな」というニュアンスを伝えることだ。コミュニケーションが苦手な人は何が苦手かというと、「話したいことがあるんですが」という最初の一言を伝えることではないだろうか。「 何か話したいことがあるんだろう?」と察知してくれる上司が慕われるし、組織のコミュニケーションがうまくいくはずだ。あの人はわかってくれる人だなぁって。「 口に出さなきゃ伝わらないんだ」という主張は正しいかもしれないが、みんなそれが苦手なんだ。オンラインでこれを察知すること。。。それは「ニュアンスコミュニケーション」。いや、”匂わせ”コミュニケーションか?

 

頻繁に「どうだ?」とダイレクトメッセージしてこられると「ウザい」と感じる。SNSでのコメントは嬉しいが、どんな内容にも「おはよう」とされても返事に困る。

頻繁に「いいね」をしてくれる人は実は控えめにコミュニケーションを取りたがっているのではなかろうか。滅多にいいねしない人がいいねをくれたのは、コンタクトを取りたいんだと考えられないか。

「回りくどい、そういうのを変えていかなくては」、との意見もあろう。それも一理。オンラインは日本のそういう控えめさ、「”察してよ”を察する文化」を変えていくかもしれない。でも、変われるまでは、「いいね」から察するニュアンス読み取りも気にしておきたいなと思っている。

 

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