リモートワークはつながりを減少させるという研究結果【たまプラビジネス余談放談】20220906
リモートワークはつながりを減少させるという研究結果。相互に接点のない研究者間の社会的紐帯が減少したという。それはそうだろう。
www.natureasia.com研究者が一定の場所に集まっているころ、たとえばオフィスや、研究棟など、そこで顔を合わせることによって生まれるつながりとか会話、情報交換によって、アイデアが流動していたという。ちなみに、”それによって新たな発見や優れた研究成果が生まれた、培われた、とまでは書かれていない”が、少なくともアイデアの流動は減少したということだそう。
オフィスや研究棟に出勤することがノーマルだったとき、
一人でない安心感
電車に揺られてオフィスに到着、「おはよう」といって入室する、「おはよう」が帰ってくる、「昨日あれからどうだった?」とか、「昨日TVでやってたあれみたか?」とか、軽い会話。業務が始まる前に、コーヒーコーナーで、「その服いいね」、「髪切ったの?」「二日酔いだ」、「誰それが何何の会合にいたよ」、「こっち炎上してるね」、、、
情報共有とはいかないまでも、少なくとも一人でない感じ、誰かと会話するために言葉を発すること、誰かの声が聞こえること、誰かと誰かが話している姿、物理的に孤独ではない環境はある種の安心感を得られた。
「会うこと」で閃く
仕事的視点では、「あのメーカーの発表うちにも関係あるね」、「注意喚起しようか」、「この間のアイデアできるかもよ」、「あとで資料送る」、「先日の件資料欲しい」、「ちょっとあとで相談にいくよ」。。。こういう一言が顔を合わせた瞬間に思い出したりして、すぐに声をかけて情報伝達や会合の調整につながる。
まだ予定に組み込まれていない状態の閃きが、顔を合わせた際に思い出され、共有され、交換され、拡散され、試行され、実行され、改善され、という流れのとっかかりになっていたのだろう。
リモートではできないこと
リモートでできないことは、
物理的な孤独”でない”感、誰かに言葉を直接発する、誰かの言葉を直接聞く、そして、予定なく顔を合わせた瞬間に何かを思い出す、閃く、急におもい出してすぐに話をする、ことなど。これらを、リモートでもできるようにする?
リモートで偶然にであえるか
現在のリモートワークでのコミュニケーション手段は、チャット、メッセンジャー、電話、Webミーティングが中心。Webミーティングは基本予定を組んでログインする。チャットやメッセンジャーは、常時立ち上げておけば、突然話しかける(ような)ことは可能だ。話を受ける側にとってリアルと異なるメリットは、状況によって反応を遅らせることができること。話しかける側にとってはデメリットでもある。それでも記録が残っているのであとからでも反応できるが、その場での盛り上がりような高まりによって生まれる熱量は得られないかもしれない。
Webミーティングも、グループ会議の状態を常時接続しておくことで、相手の様子を見ながら話しかける運用はできるだろう。問題は、いつも誰かに見られていることがどんなストレスになるか。出勤すれば誰かに見られているので、それはリモートでも受け入れるべきことといえなくはない。
研究で指摘されているのは、”相互に接点のない研究者間の紐帯”だが、さて、出勤することで得られる”紐帯(ちゅうたい)”をリモートワークでも得ることはできるだろうか。