半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

”アンケート”と”報道”に惑う

アンケートと報道に惑う【たまプラビジネス余談放談】20221007

 

 全体の動向を掴むためにアンケートをとり、集計し、分析する。それで大概の傾向をつかみ施策や企画の方向を決める参考にする。民主主義的に多数派に支持される方向にするための参考にする。それは知っている。しかし、アンケート結果だけを素直に採用すると、多数派をとるという思惑にそぐわないことになる場合がある。アンケートの背景をよく見ておくことが大切。

  • 誰にアンケートをとったのか、
  • どういう質問だったのか、
  • 有効回答はどれくらいだったのか。

 

例えば、この例。

「iPhoneとAndroidどっちが好きか。」

全国の男女、十代〜六十代、5000人、LINEの利用者が回答集団。

MMD総研が行った別の調査では、日本でのiPhoneシェアは44%と高い。統計数値では、Androidは51.5%だが、そもそもiPhoneとは1種類のハードウェアのことで、AndroidはOSのことを指す。iPhoneは1機種でのシェア、Androidは複数機種でのシェアなので、1機種で44%とは非常に高い数字だ。主要なAndroidの機種は約10種類あるが、それらの利用者が満遍なく回答すれば、結果は変わってくる可能性もある。Android全機種の利用者から回答を得ないとiPhoneが好きが多くなるのは当然だし、また好きか嫌いかという問いには、iPhone利用者の回答が多ければ当然iPhone好きが多くなる。さらに両方利用していないと公平な判定にはならないだろう。

www.itmedia.co.jp

また今回の結果ではそれほど注意はいらないが、”全国”というのも網羅度合いはが不明確なので、回答比率が低い地域があるかもしれないという偏りが”全国”には隠れている。

 

こうしたことから、アンケートとその分析の報道は注意してみないと、知らぬ間に記事の意図する方向に誘導される。使い方によっては、言いたいこと、主張したいこと、誘導したい方向に合致する結果を得るためにアンケートが作られている可能性すらあることを踏まえておくようにしている。

 

だから昨今話題だった「国葬賛成、反対か」だって、報道では反対が報道され、賛成がほとんど報道されていないことは気がついている人は多いだろう。どこかの街で参加者5人の反対デモが、「民意は反対」のニュアンスで報道されていた。10人の賛成デモがもしあれば、それは報道されたのだろうか。結果や分析よりも報道、報道の仕方に左右される例だ。

 

 

ニュースでは、「目的地に無事ついた列車は報道されない」のである。

いいニュース、前向きなニュース、うまくいっている政治のニュースだけを報道するチャンネルできたらどうだろうか。やはり視聴率とれないかもしれない。いや昨今では寧ろとれそうな気もするのだが。

 

あ。だからかな。

最近、朝のモーニングショーでもニュースをほとんど扱わない番組が視聴率を稼ぎ、昼のワイドショーでもニュースを扱わないタイプがそれなりに好評なのは。しかし、それはそれで問題に対して盲目になりすぎだ。どちら側の報道もよく見て自分なりの分析スキルを身につけていくのがよさそうだ。

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