半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

後輩の悩み事相談

後輩の悩み事相談【たまプラビジネス余談放談】20221018

 

後輩の新たな悩み事。

  • 部下の仕事ぶりに手を焼いている。
  • 実績が上がっていないのに勤務態度が真摯でない。
  • 注意しても舐めた態度。
  • 叱って関係悪化をさせたくないが。。。

実務的には、衝突を避けないでどこかで組織ルールを守ることを示す、上司と部下であることを示す、改善が見られなければ、評価を下げる。場合によっては退職を選ぶかもしれないがそれもやむなし。

 

しかし、その前に、本人が気づけるような指導や導きも試みられないか。以下考えられるアドバイス例。

 

「命令系統を守る、命令に従う」

「組織」にいる以上、第一のルールとして、「命令系統を守る、命令に従う」ことをなぜそうしなければいけないのかということを理解させる必要があると考える。ポイントは、「組織にいる限り、組織に守られている」ということ、同時に「そこに貢献することにより給料を得られる」ということ、”守られる”という意味は、”貢献が業績に直結していなくても給料を得られる”ということ、”ミスを犯した場合でも、犯罪でない限り対外的には組織がその身分を守ってくれる”ということ、この時点で組織から大きな恩恵を受けている。そのことを理解すれば、業績、貢献が顕著でない限り、業績・貢献と給与が等価交換と考えれば、業績がない分組織ルール、命令に従うことで等式が成り立つと考えるしかないはずだ。「雇用契約」もそれを前提としている。普段目にしないかもしれないが”契約”だ。”知らなかった”というのは法は許さない。

 

”歯車になりたくない”

組織を居心地を悪く感じる人には、”歯車になりたくない”という向きもある。みんな大きな機械の歯車のように誰かの意思によって動くだけだ、これは本来の自分ではないと。時計の歯車のように中心にあるゼンマイの動力によって動かされるだけだと。部長も課長も主任も歯車じゃないか?でも、我々人間は自分で動ける。人間は歯車だとしても自走できる。自走する歯車は自分の動きを始まりとして他の歯車にも影響を与えることができる。動き出してみようじゃないか。

 

”命令される”のがイヤ

子供じみたことだが”命令される”というニュアンスが嫌だという場合もある。これも一理ある。しかも命令自体が論理的に効果的でないといえる場合もある。そうだとしても、ただ拒否するだけでなくより効果的な施策を提案して逆命令にしてあげればよいのだ。反対だけじゃダメ、対案出して、ってやつだ。

 

 

命令系統を学ぶトレーニングのエピソード

組織、命令、ルールで基本のことがある。それは命令系統。Report toのルール。たとえば部長ー課長ー主任という役職に沿った命令系統だとすると、部長は課長に命令し、課長は主任に命令する、主任は課長に報告し、課長は部長に報告、指示を仰ぐ。それは、口を聞いたり雑談したりするなということではない。例をあげると、自分が前職の企業で管理職になるための研修を受けた時のことだ。その研修は管理職になると遭遇するであろう様々な場面の実務シミュレーションを体験し処理する実技など多岐に渡ったが、一番困難だったのが、

 

「命令に従わない部下の主任を持つ課長が部長に相談するケース」の実務研修。密室で行われる。ただし、実技研修の様子はビデオ撮影され、研修の最後に参加者全員で観て評価する。プレッシャー。

 

他の研修をやっている最中に突然別室に呼び出される。自分は部長の立場だ。課長の相談は、いうことを聞かない主任についての相談。課長としてももう手に負えない、どうしていいかわからないというもの。部長はさまざまなアドバイスをするが、課長(研修教官で部長にも反抗的な演技、真に迫っている)はもう自分ではやる気がない、どうしたらいいかわからないとごねる。ここで部長としては、なんとか”課長にやる気をださせてもう一度主任に対峙できるように説得するべき”なのだが、多くの受講者は「じゃあ、俺が直接話してみるよ」と言ってしまう。しかし、これだと命令系統破壊になるので不合格なのだ。

実際、この種の対応は実務でも多くあり、対応も一番難しい。

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全てに当てはまる解が教科書のようにあるわけではない。その意味で部下も上司も最適解を見つけるために心を悩ます。それに比べるとさっさと動いて業績を上げるほうが簡単だと思えるのだ。