”秘密”を”秘密”に【たまプラビジネス余談放談】20230109
昨年暮れに、安全保障に関わる秘密漏洩の疑いで2014年に施行された特定秘密保護法違反容疑での捜査が報道された。スパイ天国とも揶揄される日本でのこの法令は一部で論議を呼んだ記憶がある。
「特定秘密」漏えい疑い、海自1佐あすにも処分…警務隊が立件に向け捜査 : 読売新聞オンライン
この事件の背景では、元OBからの情報提供の要請を受けて現役の海上自衛隊1等海佐が漏洩したということだ。そんなことしちゃだめじゃん〜というのは簡単だが自分の身に置き換えるともしかするとその場になったらやばいかも〜と不安になる。漏洩している意識なく漏洩しそうな感じがする。両者は講演会などで話す機会もあったということで、お互いに安全保障にそれぞれの立場で真摯に向き合っていたのではないか。そして情報を共有して安全保障に役立ちたいと思っていた可能性だってある。そんな中で「頼むよ〜」「わかりました、じゃあ次回お話し入れておきますよ〜」なんて感じで”情報共有”が図られたのではないかとその会話が思い浮かぶ。周囲にも関係する人物、もしかすると部下とか、がいたようで、「おいお前あの情報なんか資料なかったっけ?」「あると思います、調べてみますよ」「ありました」「ありがとう、じゃあXXくん、コピーとってくれ、二部ね」などと周囲も巻き込まれたのではないかと妄想は膨らむ。
こんな想像される状況で防ぐには、どうするか。
以前にプライバシーマーク取得の担当者をやったことがある。このなかで、「秘密を秘密とわかるように明示して保管する」というのがあった。当時、それじゃあ秘密がここにあるってわかってしまうんじゃないの?危険じゃないの?」と疑問に思っていた。
上の状況を思い浮かべるとそれ=「秘密を秘密とわかるように明示して保管する」のは効果的かもしれないと思う。つまり、親しい、断りにくい相手とのそういう場面で、「すみません、これ機密事項に指定されているので渡せません」とキッカリ断る仕組みとして。機密保護に慣れていない日本にとって決められてかつ明示されていることは守りやすい要素になる。
一方で秘密保持契約書の場合、条項の中に”この契約書の存在は秘密とする”というのがあることがある。これは実際に漏洩しそうな場面で使いにくいと想像する。つまり、「おいお前んとことあの会社契約しているのか」と聞かれた場合、契約書の存在は秘密なのであると言えないが、契約していないのか?と聞き直されるとないと言えば嘘だし、あるといえば契約違反だ。この場合のやり取りはいまでも悩みのタネだ。
「察してください〜」としか言えない。