”失敗”が話題となったが【たまプラビジネス余談放談】20230310
2月中旬、日本の新型ロケットの打ち上げが予定通りにできず、中断された。記者会見で、”失敗”かどうかを執拗に追求した記者がいて、批判をあびた報道が話題となった。失敗の定義がどうかという点について考える。
定義としては、「物事をやりそこなうこと、しくじること」とあるが、ここだけを考えると失敗にあてはまるのか。しかし「方法や目的を誤って」という条件を考えると、「異常を検知して停止した」のは方法、制御は正常だったということ、むしろ、爆発や墜落などを回避できたので、失敗ではないだろう。
ロケットの件では、「ロケットを打ち上げるて軌道に載せる」という目的ができたかどうかという観点から問い詰める立場からすれば、目的未達だから失敗でしょということなのか。しかしヒステリックな問い詰めに思う。
別の例で考えてみる。
例えば、家庭の電気。家庭の電気の目的は、「電気を流して(安全に)家電を(継続的に)(安定)稼働させる」ことにある。これが例えば、一時的な過電流によってブレーカーが落ちたとしよう。電子レンジとドライヤーを一緒に使いました的なケースだ。家電はとまってしまい目的な未達だ。しかし、過電流や漏電などによる火災や爆発は避けられ、ブレーカーをあげればまた再稼働できる。ブレーカーが動作せず事故になれば修理するまで家電は使えなくなる。あるいは大事故になって火災や爆発になれば人命もあぶない。
失敗かどうかは、長期的に、継続的に、安定的に、さらには再稼働なども考慮に入れて考えるべきだろう。一回目のトライ、ロケットは、失敗かどうかといえば失敗ではなかった、失敗と強調する必要はない。
一方、最終目的からは、成功ではなかったというのが適切な表現、評価だろう。結局、昨日行われた再発射で衛星軌道投入には失敗した。こちらは”失敗”と発表された。残念だが、引き続き成功新型ロケット成功に向けて邁進してもらいたい。世界でのロケット打ち上げは続いておりより低コストでの打ち上げが宇宙ビジネス競争の最初の成否に関わってくる。