みんな大好き探偵モノ【御散歩雑談】20230427
例の64世代のPodcastで探偵小説を取り上げたのでその流れで少し。
ふぇないむ64
子供時代の探偵モノ
確か最初に買ってもらった子供向けの小説は、江戸川乱歩の明智小五郎シリーズ"怪人二十面相"の「黄金仮面」だった。変装得意の探偵、秘密道具を持った少年探偵団、小林少年、爽快で危険な展開にワクワクドキドキしていた。探偵七つ道具もかっこよかった。万年筆型の望遠鏡、懐中電灯、虫眼鏡、磁石、万能ナイフ、縄梯子、秘密手帳。。。何かの付録で手に入れた探偵用?の文字が消える紙(紙に文字を書いて水に浮かべると最初は読めるがやがて溶けて消えてしまう。。。連絡用の秘密道具だったのか)は、誰に伝えるともなく”危険だ逃げろ”なんて書いて家の裏の水たまりに落としておいたりして。
最近の愛読シリーズは
森博嗣の推理系、特に真賀田四季がらみのシリーズ。Podcastでも披露したが、犀川教授と西之園萌絵のS&Mシリーズは心地よくハマっている。職業探偵でなく大学教授とその教え子、学者ならではの科学的な分析と推理と問題解決への純粋な興味で事件を解明していくのはカッコいい。そして天才狂気の科学者、真賀田四季博士はすでに他界しているはずなのに電子世界界隈にまるで生きているかのように現れる。この世界がこうなることはすでに予測済みで自分の脳内知識、心、感情までも電子的世界で再現され生きているようなSF感。他のシリーズにも登場する一貫性もシリーズ読みには重要要素かもしれない。
探偵小説、それ系小説の魅力、ハマるポイントはなんなのだろうか。
何をおいても「解決」の快感はまずあるとして、頭脳派の仕事振り、ルールに縛られない問題アプローチ、そして自由な生き様、たまに武闘派、推理の際のなんらかの得意技や決まったフレーズを持ち、周囲の仲間、人々、協力者、敵対者などがいるのは共通項。魅力的なパートナー、ポアロさんにヘイスティングス大尉、シャーロック・ホームズにワトソン医師、明智小五郎に小林少年。。はポイントだ。敵対者すら魅力的だ。
関連する話だが、
以前にもう一つやってみたい職業というのを話したことがある。一つは「タクシードライバー」稼ぎながら人模様を観察するのはとても興味深い、そして「バーか喫茶店のマスター」これも様々な人に触れながら人間模様を眺めるーこの”眺める”のはポイントかもしれないな。関わらないで”眺める”という無責任さというか傍観者感。「探偵」はこれらより人に踏み込んでいく分精神消費しそうではある。それから探偵七つ道具も変化しているな。様々なパターンはあるが概ね、カメラ、ボイスレコーダー、GPS、バッテリー、、実はほとんどがスマホで事足りてしまう。マイクロカメラ、超小型レコーダーなど小さくなくてもよければスマホで賄える。ベテランの探偵さんも世の中変わったと思っているだろう。
探偵ものの次の興味は?と聞かれたら、
いわゆる探偵モノは、ほぼ犯罪、殺人が発生してそれを解決し犯人をあぶり出すという流れだ。それが探偵モノの醍醐味でもある。もちろんこれはこれで王道でこれからも主流には違いないだろう。自分の興味で考えてみると、解決する問題が犯罪から紛争それも地域間、国際間、文化間のそれを解決する話が面白いと思っている。例えば、コミックではあるが「紛争でしたら八田まで」といのは麻生太郎氏も推薦する地域紛争、国際間紛争の解決専門コンサルタント(派遣する専門の会社があるという設定)八田百合(はったゆり)が、地勢学と知性とチセイ(これはなぜかカタカナ)とプロレス技を武器に、「解決」というか「双方が納得する落とし所」を探していく。コンサルタントの他組織のライバルもいて、”白黒きっちりつけるんじゃなくて双方がこれからもつきあっていけるような落とし所を探していく”のがいい。
同書では、コロンビアの例で、内戦は終わったが、アクセスの難しい地形により政府支援が届かない村では、経済のために麻薬や誘拐せざるを得ない実情でゲリラが生まれる土壌のままだ。ここを改革しようとゲリラから政府に移ったリーダーがいるが、裏切りものとして対立する元の仲間から狙われる。この村にも教育が必要だが武装で教師が集まらない。結局、八田百合たちによって突破口になったのはアメリカンコミック。これで文字を学ぶところから未来の解決策が始まる、という話。
サイバー、メタバースの時代というが、物理的な地勢を意識することはますます重要で、誰もがそういう意識を持つようになるべきでそこで初めて平和ボケも終わりを迎える 。