僕らが恋をしたのは(4)完結編 オノナツメ 【読書/映画感想】20230526
平均年齢70歳のじじい4人のログハウスのある集落にやってきた美女、その5人の物語の第4巻完結編。キザさん、ドク、教授、大将。そしてやってきた美女は元女優ということだけはわかっている。ニックネームは「お嬢」。”ジジイ”たちは、それぞれ”枯れた”期待を抱きつつ、お嬢がやってきた目的が明らかになるも、それをも受け止めそしてまたジジイたちの新しい春が来る。
若き日の友情と嫉妬、誤解と別れそして今でも忘れ得ぬ想い。背中を押してくれたひと言。結局、死の縁でなんとか伝えたい思いを手紙に託し、それを届けにきたお嬢。今でも脚本を書き続けていた教授と完成した脚本をアテに4人のジジイたちはまた酒を酌み交わし、朝には収穫のために野へ出る。お嬢がまたやってくる。いつまでも誰かに恋をしている素敵なジジイたち。彼らは青春時代を共有していたわけではない。だからこそ「物語」を”ものがたり”として受け止め酒のアテにしてしまえる。そして現実としては健康とカネは必要なのだ。ジジイになったなら稼げなくてもいい使うだけ。残しても仕方ない。けれど蓄えがないと時間を持て余せない。ジジイになって働くのはまた時間の切り売りになってしまうだろう。だから蓄えは持たないといけない。お金なんて汚い?いやキレイにいきるためにお金は必須よ。