「厚い感想」のススメ【たまプラビジネス余談放談】20230529
最近耳につくのは「薄〜〜い感想」。TVでも、個人的な周囲にもある。
「なるほどね〜」はよく聞く相槌だが、いろいろ詳細を語ったことに対して感想として「深いですね〜」というのもよく聞く。もちろんこの後にその理由が続いているのであればいいのだが、「深いですね〜」という言葉だけで終わってしまっては、深いという言葉とはウラハラに浅く中身がないのではないかと感じる。「深いですね〜」は、”謎めいてわかっているけどあえて言わない”ようにも聴こえるが、実は感想を言語化できずにパターン化されたワードで誤魔化しているだけなのではないか。
「めちゃ、めっちゃ、めちゃめちゃ、めっちゃくちゃ」、なども中身の薄い感想の枕詞だ。食レポなどにもよく出てくるが、「めちゃ美味しい」といわれてもどう美味しいのかわからない。甘みが丁度いいとか、甘さが控えめでとか、塩気が強くなくていいとか、せめてそのくらいは言ってもいいのではないだろか。TVなどでは短い時間に言わなければならない制約もあるのかもしれない。だからとにかく美味しいことを誇張してということなのかもしれないが、上手なコメントの人もいるのだからもうひと工夫できそうだよね。
たとえばある朝のTVワイドショー。銀座の高級やきいもを試食した。タレントが「めっちゃ美味いっす」とひと言。しかしその後で、
「焼き芋の黄色の部分はこれまでで一番ホクホクな感じです。皮はパリパリしていますが固くなくて味がするくらい。そして皮とほくほくの間に甘みが詰まっている感じです。」と素晴らしいコメント。いつもふざけているだけなのに、ここではわかりやすく自分の言葉でのコメントで、感心した。こういうコメントで語っていったらいいなと思う。コツは部分に分けて感想を言うこと。それだけで詳細化される。
最初の「深いですね」に戻るが、それだけで終わらせずにコメントの元になっている話しから拾い出して、どの点がどう深いかを言ってほしい。たとえばこの記事。
www.odr-room.netこれから記事内で、これから争いは、”白黒きっちりつけるんじゃなくて双方がこれからもつきあっていけるような落とし所を探していくのがいい”、という結論だ。これに対して、「”地勢的に隣り合うのだから白黒つけないで落とし所を探していく解決”というのは新鮮な視点です」に加えて「深いですね」とまとめるとか。同じことを言っているだけでも、それだけで感想に厚みがでるのだ。「厚い感想」には耳を傾けてもらえるだけでなく信頼感も醸造すると思っている。