”物質伝送装置”ができない限り【たまプラビジネス余談放談】20230706
運送業だった亡父が私の就職時に「これからはコンピュータかもしれないが、いくらそれが進化しても、”物質伝送装置”ができない限り、運送業には仕事がある。最後まで残るはずだ」と寂しそうにしかし力強く言ったのを覚えている。
”物質伝送装置”は開発されず、物流は今でもなくてはならない。陸路長距離はトラックで、高速の新幹線で、海外には飛行機で、価格を抑えた大量輸送の長距離は船便で、最後に各家庭に届けるラストワンマイルは、ネットワーク化された大手物流会社、郵便会社、最近では、新聞配達会社が鎬を削る。
これまで日本全体は価格を下げる方向にばかり動いていた。しかし、ゆうパックはついに値上がりの方向へ動く。
そしてヤマト運輸はメール便など薄型の荷物を日本郵政に移管する。メルカリで薄型荷物を運ぶネコポスも日本郵政との提携でクロネコゆうパケットに切り替わる。ヤマトは”手数料単価の低い非主力の物流を切り離し”、日本郵政は得意の”薄型荷物の積載量を増やして収益率を上げる”狙い。
競争で鎬を削らず得意分野の収益を改善する方向に動いた。自分の経営資源は相手が得意でない、やっていない分野に集中し、相手が得意な分野で自分の主流でない分野では協力する。。。。競争しなくなると、切磋琢磨がなくなり価格競争がなくなり利用者がよりよいサービス製品を手にする機会を失う?いや今回のことを例にするなら薄型郵便荷物以外は競争するのだからそちらの切磋琢磨は続く。薄型の価格の安い分野だけが競争から外れていく。消費者にとっても価格面が150円が140円になるより(10円引き7%)550円が511円(39円引き7%)のほうが価格減の恩恵が大きい。いいことか?いいことだよな。