ワンピース 109巻 キミの味方【読書/映画感想】20240714
いよいよ政府最高権力 ”五老星”がその本体を表し戦いに参戦。名前だけで姿がわからなかった科学者ベガパンク、巨人海賊団、もろもろの伏線が回収されながら、さらにこれまでの登場人物がどのように関わってくるのかもわからないが、空白の100年の秘密も語られていく。クマとボニー、ニカの伝説、そしてどのように関わってくるのか、青キジとガープ、ドラゴン、ネフェルタリ家、イム、シャンクス。。。
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ワンピースの世界観は、中央集権である。”天竜人”という支配的勢力があり、”世界政府”が統治の絶対権力として存在し、秩序維持のためには武力行使もある。海賊は海賊だが、それらを実力で統べるように、”王下七武海”という政府認定海賊?があり、それらより強力な”四皇”という強い海賊勢力、3つの均衡する武力によってバランスを保つ社会だ。いい悪いは別にして、安定もしている。それらに異を唱える革命勢力もある。良し悪しは別にして、「そういう世界」を目指して構築されているのだ。
現代社会では、公式には世界全体を統べる組織はない。各国が国内はその国独自に国内の法律で統べるし、または独裁すら国家の選択肢であるが、世界全体を統べる権力構造はない。各国は独立した主権を持ち、国家は誰かに縛られない。国際法という言い方はある、国連という協議体はあるが、ガイドラインを示すに過ぎず、国と国が条約で約束をすることはあるものの、それを破棄することはできる。だから力を持とうとすれば持てるし、それを行使することも主権の一つで、実は微妙なバランスによって成り立っている。
しかし、民主主義にしても、独裁主義にしても、”目指す世界”がないのはいただけない。「今じゃない世界になればもっとよくなるんだ」、という希望の持ち方はよくないと思っている。反対だけの先に未来は見えない。民主主義であっても、みんなで多数決でまたは話し合いで決めた仕組みの行き着く先に目指す世界がないのでは困る。たとえ独裁でも、独裁者がみんなのことを考えた世界を作れればいいんじゃないかという考えもある。大事なのはそこだ。目指す世界をきちんと考えて描けているかどうかだ。反対主義には同意できない。