暗殺コンサル 著:イム・ソンスン【読書/映画感想】 20250403
久々秀逸なタイトルで即買い。設定も面白い。暗殺のコンサルとリストラがどう関わるのかと思ったら、そういうことか。手を下さない暗殺者。そもそも「暗殺者」っていう命名が正しいのかわからない。
この暗殺者は、暗殺計画=それも、武器、刃物などは使わないで、ターゲットの周囲に自然に様々な事象が起こり、生きるのがいやになって自ら手を下すように仕向ける計画を企画書として提出することにより、リストラ対象の人が会社を去る=死去するようにする暗殺だ。文字通り暗殺。誰にも追及されない。退職金もいらない。そうなるまでのいくつもの事象も部分的に関わる人はいれど、その人たちも自分が暗殺に加わっているとは感じないような細かい緻密な計画による暗殺。それを企画し計画化するのが「暗殺コンサル」だという。映像化しにくい設定である。
作者は自分の仕業に気づき会社からの関わりを断つためにコンゴに旅立つが、電子機器の原材料鉱石を取り合う先進国による、意識なきゆるやかな現地民からの搾取と無視と無策、自分が行う人知れぬ暗殺にも似ていることに衝撃を受ける。
そういう意味では、我々一人ひとりもおなじように無意識に暗殺に関わりあっているといえるのかもしれない。何げなく誰かに冷たい受け答えをし、ショップ店員さんに横柄な口を聞いたり、予約サービスへの電話で理不尽な要求を出したりしていないか?その会話が何かのトリガーを引くことになるかもと、考えようではないの。
Diary:ベンチャーの知り合いからお安く購入したスマートウォッチが届いたのでさっそく使っている。万歩計、血圧、酸素濃度など基本的な機能をまず。スマホと接続すると操作もできるんだけど、そうすると既に接続済みのメガネ装着のスピーカーと切断しないとダメみたいで同時には使えないのね。