問題と課題 IT化が進まないのは【たまプラビジネス余談放談】20250414
とある業界に関わっているが、IT化が進まないという話題。
当社の関連分野ODRについては、2008年から取り上げており、この年にアメリカ、マサチューセッツ弁護士協会に伺って「TV会議を使っては」ということを申し上げたところ「実際には顔をつきあわせないと」という意見が多数だった。今から17年前。同じ時その足で西海岸に飛んでeBayを訪問し、ODRの先駆事例の担当者と話した。ここでは「Skypeを買収した。ODRで使うかも」という状態(結局不採用)。アメリカはIT化についてはいつも先進的で数年後には様々なODRが登場してきた。
17年後の今、日本での議論を聞くと、同じように「顔をつきあわせていないと」という説と同時に、費用のことが話題となる。お金がでない、予算がない、云々。
これで思い出すのは、今では当たり前になっている「なくてはならない」インフラの電子メール、給与計算、会計管理、などなど”IT化されているのが当たり前”の仕組みも、開発当時同じように「費用」が”問題”になっていた。
最初は必要に迫られて”たまたま”できる社員がボランティア的にIT化に着手する、なんとか稼働するがやがて異動などでいなくなると立ち行かなくなり、専門業者に外注する。ここで費用が”問題”なる。”問題”は本来、あってはいけない事、排除すべき事。しかし、これが”問題”であるうちは、先へは進まない。電子メールも他の管理システムも、”問題”費用ではなく、”投資すべき”必要な費用だ。必須の費用。
費用が”問題”扱いされている間は根付かない。”問題”が「課題」として認識されて初めて「構築すべき仕組み」としての扱いとなり、組織が予期せぬ費用ではなくて、必要な投資として予算化され、組織活動の中に組み込まれていく。ここが最大のポイントだ。
これはつまり、提案を上にあげていくのでなく、トップダウンで進めていくことへの変化でもある。そういう議論になるための雰囲気を醸成しなければならないというのは日本的文化であるかもしれないが、企業活動の進行としては遅くなる。そういう観点での議論が進めばいいと思うが、まだそこまで至らない。そろそろこちらも息切れしてきたので、若い世代、人材に期待するばかりである。
年寄りクサい!が。
「IT化」は、”問題”ではない。”課題”なのだ。”Problem”ではなく、”Issue”なのだ。
Diary:91歳の母は、父の遺品の服を整理できないようだ。以前にも捨てるものと誰かにあげたいものと分けたはずなのだが、忘れてしまったのか一人ではできないと言い出した。気持ちはわかるが、徐々に処分していかないと片付かないし結局我々がやる羽目になる。気持ちの整理と同時にそれはやらなければならないことなんだろうな。残されたものたちの役割なんだろう。終活、自分でやり切りたい。