ODR Pickups/半蔵門ビジネストーク

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、たまにロードレーサーの話題など、半蔵門付近を歩きながら雑談するようにリラックスしたお話中心。

【ODRピックアップ】20131107 スタイラスペンと万年筆

【ODRピックアップ】20131107 スタイラスペンと万年筆

 

84歳になる父の誕生日に、10年日記と万年筆を贈りました。

帰省してお茶を飲みながらTVを見ているとき、父がちょいちょい大学ノートを取り出して、何かを書込んでいるのを目にしていたのですが、聞いてみると、

「ああ。。。その日のことをメモのように記録しておくんだ。。。」

と、いつもながら必要最低限の説明。「なんで?」と聞けないオーラを漂わせます。単なる日記なのか、ボケ防止か、はたまたボケを意識し始めて、メモらないと忘れてしまうのか。。。理由はそれぞれですが、なんで筆ペンなんだ??

そう。筆ペンなので。故に字がでかい!太い!読めない!!日記ですから、私が読みにくくても父は気にはしないでしょうが、少なくとも、今の大学ノートと筆ペンよりは、少しいい感じになるのではないかな。。。大きなお世話だと言われればそれまでですが。

 

今や一日の殆どをPCに向き合って過ごすようになり、こうした文章の執筆や、取引先とのコミュニケーションのためのメール、ちょっとしたことを記録するメモ、スケジュールをカレンダーに書込むことなど、キーボードのローマ字入力が中心になってくると、当然、字を書く事を体が忘れてしまいます。

 

スケジュール帳は手帳を使っていますが、結局、社内で共有したり、アラームを出したりするのは、やはりデジタルカレンダーでないと不都合です。しかし、ネット接続できないと使えないという欠点もあり、落ち着いてじっくり見て考えるというときは、やはり紙を目の前にしたほうがいいと思うのは、「おっさん」世代だからでしょうか。文字、特に漢字を忘れていくのはとても悔しく情けなく不安にもなっていきます。

 

しかし。デジタルの時代にも手書きが生きている。 

タブレットPCの普及は、キーボードでなく画面を直接触るというインターフェースを一気に一般化しました。そして画面をなぞるインターフェースは、画面上に手書きで書くインターフェースを身近なものにしてくれました。かつては、イラストレーター向けに提供されていた手書き用タブレットペンがありましたが、これは、画面とは別の機器に特殊なペンで書くので、画面を見ながら別の機器に書くということになり、慣れるまで時間を要するのと、何よりも、別の機器なので嵩張るということが、誰もが使うという状態には至りませんでしたが、画面タッチタブレット+スタイラスペンは、キーボード世代、手帳世代に、手書きインターフェースを提供してくれることで、デジタルだけど漢字を書くことを残してくれる素晴らしい機器。。。かもしれません。

 

と、新しい環境に適応しようと思っていたところ、前述の父へのプレゼントの万年筆を試し書きしたところ。。。

な、、、なんだ!これは???

1万円ちょっとの万年筆なのに、太字のペン先の万年筆は、まるで、筆を使っているような感覚です。紙の上に残される文字は、ほどよく引きずったような感じになり、とてもいい気分です。

タイプする文字は、簡単にバックスペースで消す事ができるので、とにかく勢いで書く事ができますが、手書きは当然消す事はできませんので、次に書く文字、文節、文脈をよく考えなくてはなりません。思いついたことをどんどん打ち込んでいって、組み替え、消し、追加し修正できるタイプと、じっくり考え抜いて、書いて行く手書きの文字とどちらがいいのか。。

 

アップルコンピュータのスティーブジョブズは、2005年スタンフォードの卒業式の講演で、自分がドロップアウトした大学で、カリグラフィの授業に潜り込み、その美しさに魅了され、後にマッキントッシュを開発した際にその知識と体験が活かされ、美しいフォントを持つコンピュータが生まれたと語っています。

 

美しい文字とコンピュータのタイプが生み出すフォントの文字。右脳と左脳の使い方。

 どっちらへ向かうのか。どういう結果の変化をもたらすのか。それはたぶんまだわかりません。