【読書/映画感想】20180125 キングスマン ゴールデン・サークル
キングスマンの続編。
微妙に断片的なネタバレ的な。
あらすじ
イギリスの秘密諜報組織キングスマンは、前回の闘いでガラハッド(ハリー)を殺され、エグジーが後継者となっている。しかし、影の麻薬王により組織の仲間を全滅させられてしまう。残された教官のマーリンとエグジーはアメリカのステイツマンに応援を求める。マーリンを失うが真相に近づいて麻薬解毒剤の配布を実行する直前にステイツマンにも裏切り者がいることが判明。そして、死んだと思われていたハリーが生還し、最後の闘いに挑む。。。
最近の映画の傾向として、ワルモノが単なるワルモノではないところがある。
勧善懲悪はもうない
前作でも、環境問題への対応から「人口を減らす」というある種純粋な企てであった。それ(環境問題への対応)だけを取り上げると、必ずしも否定されるべきことでもないのだ。しかし、その手段が「人間を無差別的に関係なく殺してしまう」ということになっている。映画「ダヴィンチコード インフェルノ」にも同じ構図がある。
今作でも、イイこと(麻薬撲滅)をしているのに、手段(麻薬にウィルス)や意図(自分の功績中心)に問題(大量殺人)があるので、みんながワルモノになる。キングスマンとやっていること(殺人)は違わないし、同じ手法(麻薬ウィルス)を相手にもしているのに、イイモノである主人公だけが許される。
このことは問題の複雑さを現している。
目的もやっていることも同じ
ポピーは、麻薬、麻薬犯罪をなくそうという目的で、麻薬にウイルスを混ぜてばらまき、解毒剤の代わりにアメリカ大統領と取引する。
アメリカ大統領は、その取引で麻薬撲滅を功績にしようとするが、治療目的の人々をも見捨てることを選ぶ。
ステイツマンの中にいた裏切りものは、かつて自分の恋人を麻薬中毒者に殺されたことで麻薬撲滅のために、組織の目的ではなく、麻薬中毒者がいなくなることをよしとする。
そして、キングスマン、ステイツマンも、ワルモノを倒す、世界を救うために、相手組織のメンバーを時に残虐に大量に殺していく。
何が正しいのか
麻薬撲滅 正しい
ウィルス混入 正しくない 不特定多数を意思に反して感染させる
大統領を脅迫 正しくない
大統領の取引 正しくない 真相を伏せていたから
ウィスキー(ステイツマン)の裏切り 正しくない 信頼を壊す
キングスマンの策略 正しい?
殺人 正しくない。
しかし、悪事を働くものに対して危険を回避するためには?
キングスマン 戦闘による殺人 正しい?
行為そのものからは正しいか正しくないかは判断できない
誰が、どういう目的で行なったかが判断の分かれ目となる
また他に選択肢がなかったのかも考えるべき点だ
ところで、1作目もそうだったが、殺人の方法がエゲツナイ。R12指定なのは当然だ。そうした点とちょっとしたギャグに惑わされて、中に仕組まれた「何がどう正しいのか」ということを考えることに思いが至るのが映画を見てから随分と遅くなってしまった。
(はてな1040記事)