【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20161024 リペア経済・新品経済
壊れても修理して直して使ったほうが経済的か、それともさっさと買い替えてしまったほうが、全体としてはいいのか?
直して使う場合、壊れた部品を修理する場合と壊れた部品”のみ”を取り替えるという選択肢があります。機械式時計の古いタイプは前者でしょうか。ストックしてある部品に取り替えたり、部品取り用の同型機をキープしていたり、場合によっては部品を削りだして新たに創ることもあるそうです。古い外国車などもそうですね。
部品のみを取り替える場合は、最近の車がそうでしょう。一昔あるいはそれ以上前の車では、前述の時計と同じように、壊れた部品のみを修理したり、取り替えたりするのが主流でしたが、最近ではもう少し大きな単位=XXユニットを交換するということになってきています。
パーソナルコンピューターは電子式なので、部品を直すというパターンはほぼないですね。電源ユニット、CDユニット、XXメモリを交換する。。アップルコンピュータなどは、さっさと本体ごと新品と交換してしまうケースも多いようで、リペア経済ではなくなっています。
スウェーデンは、国を挙げて、リペア経済を推進する方向。
この税制では、修理すると税控除が受けられるほか、修理業者は人件費の半分を所得税から控除してもらえるということになります。「修理費用が大幅に抑えられ、修理をより合理的な経済行動にできる」とは、消費担当大臣の言葉。国を挙げての修理振興です。修理産業は、移民の就業制作としても期待されているようです。
スウェーデンのこの税制と対比したいのは、日本の古い車の税率をあげる税制。どちらが経済効果を得られるか。
古い車を乗り換えさせようとすると新規購入と税負担とどちらが大きいかということになりますが、(私も含めて)実際には古い車の所有者は相当多額の税負担でなければ乗り換えはしないと思うのです。修理して乗るのは、新車が買えないからではなく、その車を乗り続けたい動機があるからです。だから、この施策はあまり効果ないと思っています。とはいえ、こだわりの度合いによっては手放して乗り換える人も一定数はいるでしょう。
中古業者への優遇はなさそうなので、修理に持ち込む人が減っていけば、修理事業や古い車の販売店が、維持できなくなり古い車を売る業者がいなくなる、するとやはり、リペア経済から新車経済に遷っていくのか。。。
ところで、この手の議論をして検討をしたい時に、「ものを大事にする」という表現を使ってしまうと、精神論が入り込んできます。感情をいれないで吟味検討した上で、感情は述べるだけに留めていきたいですね。
修理をして使うのと新しいのを買うのとどちらがどう経済効果があるのか。。 はて。。。