【半蔵門ビジネストーク】20170512 Nの棚なら買わざるを得ない
波多野聖の小説は証券にまつわるものが面白い。「銭の戦争」は、10巻を数えて完結した。「悪魔の封印」は、戦後の処理に関わる証券の謎、そして、「メガバンク最終決戦」と「メガバンク絶体絶命」も、銀行を中心とする債券トレードに関係している。
メガバンク〜2冊は、最近の作品で、これまた陰謀と復讐が織りなす金融ミステリーである。
「メガバンク絶体絶命」のほうが後の話なのだが、例によってよく調べないで後編を先に読んでしまった。まあそれはいいとして。
この作品の中に、同級生だった香港の謎のトレーダーと銀座のママの会話で、「マラケシュの声」という小説を読んで実際にマラケシュにいって魅せられたというところがあり、読みたくなってしまった。中古でもいいと思ってアマゾンで検索したが、中古もそれほど安くはなく、躊躇していた。
別の日に、ジムの帰りにふらりと本屋へより、検索端末でマラケシュ〜を検索すると在庫ありとして棚番号NのXーXXが表示されたので、立ち読みしてみようと探したが、どう見ても棚はHまでしかない。
店員さんに聞くが、「Nの棚は聞いたことがない」とのことで、探しにいってくれた。待つこと10分。ベテランの店員さんが、本を手にして「こちらですね」と渡してくれたのが、これだ。ノーベル賞作家のエリアス・カネッティ。
買わざるを得ない。。。
読みたくなった理由は、この本に関する記述があったメガバンク〜の中で出てくる、"目の見えない物乞いおじいさん"の下りだ。そのおじいさんは恵んでもらったコインを舐め廻す。それによって恵んでくれた人に祝福を贈るのだそうだ。メガバンク〜の中の香港のトレーダーは、現地でその物乞いのじいさんには会えなかったそうだ。そりゃそうだ。この本が書かれたのは1968年。メガバンク〜の設定は、2016年だ。
ところで、Nの棚は、担当者が返本する予定の本を退避する棚のことだそうで、そんなタイミングを捉えたのは何かの縁あるいはなにか示唆に違いない。
マラケシュに行けということか?
マラケシュはアフリカ大陸北西部のモロッコ中央部の都市で、外務省海外安全情報によれば、危険度は1だが、イスラム圏で全土にテロの警戒情報が出ている。
今一人で行くのはどうなのか。。
本は、実はまだ読んでいない。感想は後日。
そうそう。Nの棚なら買わざるを得なくなるのでご注意を。