【ODRピックアップ】20151005 先に謝るべきか、謝る前に理由を説明するべきか
私は(多分日本ではみんな)、悪いコトをしたら、迷惑かけたら、まず謝る!ことを両親や社会から学んできていると思います。例えば遅刻したらまず謝る。理由はどうあれ、「相手を待たせてしまったことに」。コーヒーをこぼしてしまったら、まず謝る。そこにコーヒーがあるのに不注意だったことに。これらはきわめて普通の感覚だと信じていました。
ある国際連携のグループで、欧州からの問合せに対する回答が滞ってしまいました。それは、組織が充分に体系化されていなかったため、責任不在、担当不在になった結果でした。当時、私は、その件を次期事務局に引き継いだあとだったので、本来は、担当ではなかったのですが、(引き継ぎが充分でなかった”可能性がある”として)「私が悪い。すみません。」と謝ったところ、「なぜ、貴方が謝るのか!!」と反って炎上。
日本的に、謝ってはいけないことを実感しました。
9月末の安倍ープーチン会談で、前の予定が長引いて遅刻してしまった安倍首相は、カメラの前で、(遅れて待たせて)申し訳ない態度を示すために、小走りで駆け寄ります。ごく当然。
が。
これに対する各国のネット上のコメントでは、
尊厳を捨てて国益のために小走りで
日本はやはりすばらしい
日本はやはり恐ろしい
など、かなりの反響があったそうです。
何度かブログでも取り上げた謝罪。台湾の支社長とも口論になりましたが、
遅れるー>故意でないー>理由説明ー>理解ー>私は悪くないー>謝らない
が、台湾思考回路。
遅れるー>故意でないー>謝るー>理由説明ー>理解ー>
が、日本思考回路。
反対に、
日本と中国カップルの漫画家の「中国嫁日記」作者の新著「月と日本語」の抜粋で紹介されていた4コマによれば、日本語を学ぶ中華圏の人にとって、「お茶が入りましたよ」「ビルが建っている」という表現は不思議なのだそう。お茶は自分で入らないし、ビルも自分で建たないでしょということです。しかし、反対に自分でコップを落として割った場合でも、わざとでなければ、「コップが割れてしまった」と日本人にとっては責任転嫁のような表現となるそうで、正反対の言語表現、解釈なのです。(2013年2月22日オンラインで公開
http://blog.livedoor.jp/keumaya-china/archives/cat_10038512.html?p=3
というケースもあります。
この違いは理解しておかないと、日本的な先行謝罪は必ずしもいい結果を生まない、寧ろ悪い流れを作ってしまうことがあるので要注意。
なにかを思い出しませんか?