【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20161129 いろいろな国の人と働くとき
恐らく、海外に旅行して、そこでの滞在中に接するのは、”もてなして”くれている人たちなので、たまには愛想の悪い人や、サービス精神の希薄な人はいるでしょうが、観光客を相手にしている人々ですから、彼らにとっては、私たちが「お客様」。合わせることも理解することも、それほど苦労はしない筈。
反対に、日本に遊びにきた観光客としての外国の人々にとっても、日本で接する日本人は、たまに外人嫌いの人がいたとしても、基本的には優しく親切に接している筈です。日本人が劣等感も含めて合わせているでしょう。私もそうしています。
しかし、これが、”仕事”なると大きく変わってきます。
上記記事では、
1)相手に合わせる
まずは一度相手に合わせて、そこから改善をしていく。
日本でのやり方に固執しない。
2)和を乱す
自分の意見をきっちりと。相手はそれを待っている。違うのが当たり前だから。
3)数字で説明
成功のために、論理的に数字で根拠を持って。
4)イエス・ノーはっきり
最近はYes and Noというのも答えになってはいるようですが、それに意見を付加する。
曖昧はダメ。
1)3)は、なんとかなりそうですが、2)4)は意外と苦手な人が多いでしょう。
これらに加えて、私なりの大事なことをいくつか。
5)Give and TakeとGive and Give and Given
英語のGive and Takeは、商業取引では、等価交換的なことが基本ですが、個人的にもこうした考えがあたりまえ。ところが、日本的には、”譲り合い”の精神が美しく、自分からTakeするなんてはしたない、与えていればきっと返ってくると思っているのではないでしょうか。これをわかってくれる国もありますが、まず説明は必要です。
6)実は吞みニュケーション大事
そうでないという説もありますが、会社帰りにダラダラと吞まないだけで、休日やホームパーティなどで親しくなっていくのは大切。それによってビジネスが繋がっていくことも多々あります。
7)まず”謝る”は、”誤り”
台湾支店長は、自分が約束を守れない時、理由説明ー>理解されたー>謝る必要なし、という思考回路。私は、まず謝るー>理由説明ー>自分だけが悪いとなってしまいますし、理解してもらう説明を怠った時点で、怠慢。言い訳ではなく正当性の主張が大事。
以前、複数の国の加盟する協会の事務局をやったとき、情報共有がうまくいかないことがありました。直接の理由は、情報の持ち主がネットでの共有をしなかったからなのですが、文句が出た時に、事務局として謝ったところ、「なぜ君の仕事でなく、君が悪い訳ではないのに謝るのか。(私を)馬鹿にしているのか」と大騒動になってしまったことがありました。確かに、論理的ではなかったのです。日本だと、まず事務局等が謝って(悪者になってという言い方をしますよね)、実際の責任のある人も、静かに反省するというパターンが多いのでそれに倣ってしまったのが失敗でした。
嫌が応でも、多国籍、多文化の人々と働くと、文化的背景を抜きにして判断が下されて行きます。それにしても、理解していない場合のそれと、文化的背景を理解した上でのそれとは、直接の結論以上に大きな影響を及ぼすかもしれません。