調停人ロールプレイ体験【半蔵門ビジネス雑談】20190322
企画委員を務めさせてもらっている日本ADR協会の主催する実務研修会では、毎年様々な企画を実施しているが、今年度は調停技法入門。
◆第1部 実務研修◆
「相談担当者・事務局担当者にも役立つ調停技法入門
〜 ロールプレイングで学ぶメディエーションスキル」
本来は有償のコースだが入門編で数時間に圧縮されたコースだ。
基礎的なポイントの説明のあと、アイスブレイクで最近のマイブームを同じテーブルの4名で共有し、打ち解けたあとで、同席調停のデモを見る。。。ということなのだが、デモと言ってもリアルなもの。講師が調停人で、参加のうち2名が申立人と相手方となり、用意された設定のもと、調停をアドリブで実演する。調停人の進め方が学びのポイントだ。
技法は本来有償なので詳細は公開しないが、デモを見て自分が感じたことは以下。
- 入場時の導線
調停室に入る際には、調停人がそれぞれを控え室から案内してくる。意図してかどうかは不明だが、相手の後ろを通さないようにしていたようだ。ゴルゴ13ではないが、後ろを通られるのはいやなものだという向きもあるだろう。これは心理的に余計な詮索や不快感を最初から抱かせないためにも、意外と考えるべきポイントかと思う。
- 特定の質問への回答を促さない
申立人が、この点をはっきりさせてほしいとしつこく回答を要求する場面が複数回あった。しかし、調停人はあえてそれを促さなかった。最初は、なぜ調停人は質問に答えていないことを確認して回答を促さないのだろう?と思ったのだが、これは、片方が回答を促した場合に、それに対しての味方をすることになるからではないだろうか。
- ここぞという図示
回答を促さなかったが、最終的に、双方の言い分を十分聞いたあとで、全体を図示した、この結果、先ほどから回答のなかった点について、質問されたほうが自発的に回答をすることになり、調停人が促さなくても回答を得ることができたのだ。この結果、強制感なく回答をし、質問者も回答を得ることができた。
ポイントは、いかに公平感を維持するかにあるのではないかと感じた。
そしてその後、各自が調停人や申立人、相手方の役をして実際の調停ロールプレイ。私は、相手方の役だった。
結論からすれば、双方に有利なウィンウィンのビジネスの提案をして丸く収めてしまったのだが、今にして思えば少々物分かりが良すぎたかと反省。