ODRの「システム」を議論する時がきた 「申し立て」フェーズ
3月の終わりに公表された法務省 司法法制部の「ODRを国民のものとするアクションプラン」。「ODR事業への参入支援 」では、・ 技術支援(情報提供、研修支援)・ 事業者によるODR提供への働きかけに言及されているがまだまだ具体的な議論にはなっていない。 大きく捉えて各フェーズ=申し立て、交渉、調停、和解のプロセスではどんな機能が盛り込まれるべきか。
各フェーズについて。
【全体像の説明】
大きく捉えて、申し立て、交渉、調停、和解のプロセスがあること、交渉では本人同士のシステム上のやりとりで解決を模索してもらうこと、調停では第三者(認証機関、調停人)が調停にくわわること、和解案には従っていただくことなどを画面上で説明し、解決までの期間、非公開原則などを理解していただく。了解した項目にはチェックボックス。
【申し立てフェーズ】
- アカウント登録、ログイン、マイページ
申し立てしようとサイトにアクセスしてきて最初に行ってもらうのは、アカウントの登録。以降の連絡のため兼本人認証のメールアドレス、セキュリティのためのパスワードを登録してもらおう。将来は指紋認証などの生体認証が個人特定のために当たり前になるかもしれない。以降、これらの情報でログインし、「マイページ」的な管理ページにアクセスする。
- 申し立て内容
主要目的である申し立ての内容を登録してもらおう。類系化できている情報は選択式とするのが望ましい。そうでなくても、ある程度の大まかな分類を選んでもらい、穴埋め式の記述テンプレートを用意する。これらは紛争類系によって異なる。またいずれにしても自由記述できる必要もあるだろう。登録された紛争内容は、自動チェック、人的チェックにより何回かの質問と回答のやり取りのあと、正式に登録される。
- 相手方情報
すでに紛争に至るほどの交流があるのだからメールアドレスによる連絡は把握していることを想定している。当初は、このアドレスに「申し立てが行われたこと、自分が相手方になったこと、紛争の内容、ODR(ADR)に応諾するか」、が送信される。メールアドレスが不明な相手方の場合、 ADR機関が相手方と電話などの方法で連絡し、メールアドレス入手を試みる。メールアドレスが入手できた場合、そのアドレスを申し立て側に連絡することの承諾を得てシステムに登録し、同時に相手方にアカウント登録を促すが、手順が複雑だと応諾しない動機にもなりうる。メールアドレスが登録されたら申し立て側から「申し立てが行われたこと、自分が相手方になったこと、紛争の内容、ODR(ADR)に応諾するか」が送信される。
- 本人確認
申し立て側、相手方いずれもアクセスにはメールアドレスによるIDとパスワードで事足りるが、最終的には本人確認が必要。住所、氏名、それを証明する書類(免許証、パスポート、住民票など)の提示登録が求められる。将来的には、合わせて生体認証的なものもいるかもしれない。
続いて、オンライン交渉に入る。
つづく。。。