妄想/司法のIT化【半蔵門ビジネス雑談】20181227
司法のIT化が進みそうだが、どのように進んでいくだろうか。
APECやシンポジウムでの話題から勝手に楽しく妄想。
部分的なITの利用
まずは既に部分的に進みつつある、「使えるところに、できるところにITを導入採用していく」ことになる。一部法改正や解釈を整理する必要もあるだろうが、部分的に、できることからIT化が始まる段階だ。遠隔地からのTV会議による証言やヒアリング、メールによる文書の送信、Webからの申し立て提出などだ。
統合的にIT化されたADR
解釈の追加、変更や一部の法整備が整い、統合的にIT化されたADRが登場する。申し立てから、本人確認、相手方通知、証拠提出、双方の主張提出、調停人などの選定、反論、期日、など、全体を通じてオンライン上で可能になってくる。さらに、海外の事例を見ていると、これらの手順に入る前の、分析段階もITが活用されていく。例えば、米国の離婚ODRでは、住んでいる州によってアドバイス内容が変わったり、結婚の事前契約書がない場合には扱えないので裁判を進める場合もあるなど、自分の条件を入力するとアドバイスが出て来る仕組みなどだ。
AIが調停人をサポートするIT化されたADR
IT化が進展し、事例が蓄積されてくると、AIによる様々な機能が可能となってくる。最初は、あくまで人間の調停人、仲裁人が紛争解決を支援するが、そうした調停人などにアドバイスをするためのAIが実現してくる。和解条件案が提示されたり、条件を変えると別の和解条件候補をアドバイスしてくれる機能が実現してくる。
AI+IT化されたADR
(法曹による監督)
さらに、IT化されたADRが進化し、AIが進展すると、AI機能が融合されたADRが実現する。調停人が果たして来た判断の役割をAIが果たし外見的には自動的に裁断するIT化されたADR。しかし、その結果が適切かどうかはやはり人間の法曹が見極める必要がある。
AI+IT化されたADR
(AIによる監督)
さらにデータ蓄積が進み、AI化が進展すると、「AI+IT化されたADR」を監督する別のAIが現れる。森博嗣氏のSF小説ウォーカロンシリーズでは、複数のAIが相互に監督するAI世界が描かれている。その世界は、人間はAIを監督しようとするが、AIがそれを嫌って排除するような動きをしたり若手AIが虚栄で大胆すぎる判断をしたりもする。
司法のAI化、いやAI化された司法の世界は理想なのか、悪夢なのか。