【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20161130 社長コンサルティング
IT企業勤務時代に、新入社員で配属されてきた人物から、何年ぶりかで電話がありました。配属は、1994年くらいだったと記憶していますので、彼も既に42歳。しかも、私より随分前に退職して自分で会社を立ち上げましたので、経営者としては、先輩です。
その彼が電話口でいうのは、「会社の経営について相談に乗ってほしい」ということでしたので、一先ずミーティングを設定。
1回目
派遣事業SESを中心にやってきたが、今後の先行きに悲観的である。
新しい分野として、ゲーム系のコンサルティングを手がけた。最近、入社した営業担当者の人脈、営業脈で成り立っているが、自分ではその分野のノウハウがない。にもかかわらず、エンジニアをうまく御せない。
2回目
Q.社長自身に、プロジェクトマネージメントのスキルがいるかもしれないと思っている。
A. 経営者あるいは上に立つ人間として、職人の親玉になる方法と経営者に徹するという立場がある。前者は、あらゆる面でエンジニアより上にならないといけない。新しい技術を今から身につけて行くことが必要。そのためのプロジェクトマネージメントという観点か。
例えば、私の場合、情報面でコントロールし、エンジニアとは違う土俵で済み分けるという手法をとっている。例えば、毎週の進捗管理の結果は、顧客への報告としても送付するようにしており、顧客から見ると、管理しているのは私=社長になる。同時に、エンジニアにとっては、社内の約束が顧客へ流れ、備忘録でもあり、仕事の範囲でもある。私はそれに加えて、顧客に関連するブログを書いており、毎週、顧客への一言の話題として提供している。現場にいるエンジニアにはできないことであり、逆にマネージメントの役割だと思っている。
結果、これらで、エンジニアが独立していくことを抑止している。
Q. 給与について、これまで、要望になるべく答えてきた。しかし、市場環境が厳しくなると、それも経営的にはキツくなってきた。下げるのは難しい。
A. 確かに1度設定すると下げるのには理由がいるだろう。
給与体系、昇給基準があることが前提だが、もし、給与基準に照らして、割高であるなら、現在の給与が割高であることを説明し、本来ならいくらか、現在の業績では、いくらまで出せるかを説明可能にして、真摯に経営強力をお願いするしかないだろう。
成果報酬によって、現在より多くできるように考えることも一つ。
また、悲観的な予測をMAXで見ることも重要ではあるが、現実的な予測も必要で
その間の対策案を練ることが現実的ではないか。
3回目
・ 彼は、「マネージメントを芸術的なことと表現している」が、そのように”自分の中の”問題に持って行くのは個性でもあり、クセでもあり、人との関わりを避けて行く傾向かもしれない。
マネージメント、人事 人事は人の事 人に関心を持ち、何を考え何に反応し何を喜び何に抵抗しているかなどを見つめること、
エンジニアをうまく御せないというのは具体的にどんな状況、会話、心理なのか?
当面の一番の問題は、給与の額のようだ。先行きに不安があるのは経営者として正解。先行き不安を直感的に給与というのも派遣、サービス事業としては正解。
確度をあげた見込みを出してみる事。
営業を拡張する方法を一緒に検討すること。
幹部?営業?と腹を割って話しをする手法もある。
事業構造、契約期間、リスク、リスクヘッジする方法 そのためには営業を増やさないといけない、次善の策はXXX。。これがうまく行かないと人件費まで手をつけなければならない。。というのが正攻法。経営の問題を共有してくれるかどうか。
方針を示す=>物語を示す
熱意を示す=>行動・情報発信
事業の路線の問題なのか?
派遣事業の相手はSI会社だとしても、アプリケーションの分野の強みとかはないか?
問題解決という手法と、構想達成という手法
経営学と経営力
すでに給与関係の話は試みたか?その結果はどうだったか?
・リスク管理と人事評価
リスク管理には、際限がないと思ったほうがいい。そしてもう一つは個別的で具体的でないと意味がない。
経営的には、キャッシュフロー。債券、債務。
事業的には、それぞれの事業での受注と売上、回収。リソース、パートナー、顧客。
事業だとすると、例えば当社の場合、ODR関連とITコンサルティング関連、台湾関連に別れているが、それぞれがリスクバランスの関係にある。本業のODRはまだまだ市場性がなく政府調達依存なので、年度で変る可能性があり長期的不安定。未回収リスクは高い。国際関係が現在の差別化要因なので、台湾へのコネクションを強化、維持するために、台湾支店を登記した。ただし、これはまだビジネスとして成り立っていないため、別のリスク要因ではある。これを補う為に、ITコンサルティングを行う。ここでは主に弁護士、外資系企業の日本支店など小規模オフィスのIT部門の担当者としての対応を行う。個別の契約は小額だが、その分顧客負担を減らして、契約の長期化を確保している。
パートナーは、スキルの高い信頼の置ける人物が重要だが同時に集中して依存しするぎることも問題なので、分散化が今後の課題となってきた。
4回目 (夜の会合)
人脈の紹介。根幹は先行き不安である。トップセールスに繋がるような人脈、あるいはそのきっかけになる人脈を紹介する。さらに飲み会で親睦を深め、ちょっとした時にも思い出してもらえる先は一つでも増やしておいたほうがいい。