【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20160819 ノーマネージメントな人々
訴訟体験ネタを書こうと思っていろいろな資料をひっくり返すと、もう一昔、随分前になってしまったことに改めて気付きますが、起こっていることの原因は、結局、マネージメントしていないことにもまた、いまさらながらに気がつきます。
代表的な、いや、たぶんこれにつきるのではないかというのが、「マネージメントしていない」上司たち。彼らに言わせると、私の上司だったある人も含めて、
「君を信頼して任せていた」
というマネージメントをしていたというのでしょうが、ずーっとなにもしないでいておいて、問題が発覚すると・・・これもまた発覚したのではなくその上司の興味がやっと其の点に気がついたともいえます。・・・事が起きると、その部下や外注先などが、なにもやっていない、役に立たない、提案がなかった、報告がなかったなどが原因だ、といって追求するのが多い・・・私が遭遇した何度かのケースは全てそのパターンです。
任せてくれているので、問題がない間は、上司との関係は非常に良好。味方についてくれたり、問題の仲裁役をしてくれたりもしてくれます。しかし、”信頼して任せた”という心の中には、「問題起こすなよ」という暗黙の指示が入っているので、問題が起きてしまうと、「期待を裏切った」として、「悪いのは全て部下」ということにしてきます。
「信頼して任される」方も、期待を裏切らないように頑張りますが、マジメにやればやる程、問題の兆候を其の都度報告したりしないでしょう。一々報告して判断を仰いだのでは能力がないと言っているようなものですから、問題化しないうちになんとかするか、状況が変わることを期待して意識的に見過ごすか、あるいは、無意識的に見逃していることもあります。
だからこそ、マネージメントする人であれば、「信頼して任せた」としても、問題の兆候を検知するためのチェックを自分でするか、その役割を誰かに任せるのですが、それをやらないのが「ノーマネージメントな人々」です。
だからといって、「上司が無能だ!」といってしまっては、同じ穴の狢。
ここは、部下としても、ノーマネージメントで任された場合には、自分でチェックするか、チェック機能を自分で誰かにアサインするかをしておくしかありません。勿論これを誰かに任せるのは至難の技ですが、育成の一環として、この状況を説明して、期待できる部下に「任せてみる」のも試してみる価値はあります。
ところで、ノーマネージメントな顧客もありえます。業務を依頼するのであれば、上司(顧客)と部下(事業者)の関係と同じこと。ある日突然、「信頼していたのに期待はずれだ」と、なんの脈絡もなく怒鳴り込まれることもあるかもしれません。ただ、そうした場合は、さっさと離れるほうがいいかも。。。