半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

”責任を取る”へのモヤモヤ

”責任を取る”へのモヤモヤ【たまプラビジネス余談放談】20220816

 

”責任をとる行動”にずっとモヤモヤしている。

 

辞任は”責任”をとったのか

20年以上前の話だが、当時勤務していた会社で担当していたビジネスをめぐって、海外企業との訴訟に巻き込まれた。その際、問題が深刻化した直後に、上司で責任者だった役員が”責任をとって”辞任、退職した。訴訟は、その事業には関わっていなかった後任の別の上司が対応することになった。私は現場責任者だったのだが、「別支社長として」栄転的な提示があったのだが、それだと訴訟の対応は若い部下が行うことになるので、丁重に断り訴訟対応を希望した。結果、ラインから降格し、その後は元部下の配下になった。訴訟は最後まで対応し勝訴し、”責任はとれた”と今でも思っている。

辞任によってその地位を失ったのは未来の利益を捨てることによって代償を支払ったということなのだろうが。。。

 

一律少額損害金は賠償と受け止められるか

今年の7月3日、KDDIの大規模通信障害は多くの人に混乱と被害を与えた。社長がお詫びし、対策を取るが、被害者への損害賠償は、全利用者に均等に「200円」だという。障害の間の料金として負担していた費用に換算したそうだが、実際に困った状態の「被害」感覚には見合わないと感じている。例えば、我が家では自分以外は全員auの回線だったので、家にいる間はWifiで問題なかったが、外に出たら誰とも連絡がつかなくなってしまった。実家の母は、docomoだったがよく連絡をとる親族がauだったためとても混乱し、心配な時間を過ごした。結果としてなんの損害もなかったが心理的な不安感は金額には換算できないものだった。もちろん、法的には問題はないのだろうが。。。

 

”責任をとって”、辞任する、退職する責任の取り方には前から釈然としていない。

責任を押し付けられる

自分が体験したように、その”こと”を引き起こした、あるいは関わった人の責任の取り方が、そこから去ることで、後始末は後任が行うというのは、”責任をとった”といえるのだろうか。後始末を背負わされるほうからすれば、”責任を押し付けられる”ようにしか思えない。”責任”を取るのは、「後始末」だろうと言いたくなる。

 

”一律少額”よりまとめて使われたほうがいい

全員への損害金は、利用者に対する責任というのだろう。契約や約款にも、そうした記述があることが多い。それに合意もされているのだろう。全員に公平に損害金を支払うことは、誰かの納得できる利益になっているのだろうか。なっていないな。ちょっと考えればわかる。企業にとっても、200円x3589万人=約71.8億円小さい数字ではない。少額の損害金なんて誰もがいらないと思っている。

それよりも、その71億円で対策や仕組みの強化を行うほうがいい。

 

 

辞める責任の取り方、一律少額による賠償、この二つはモヤモヤする。

もっと有意義に。辞めずに責任を取って最後まで後処理まで。一律少額賠償しないで抜本解決策を講じる。”責任を取る”ことを、”ケジメよく終わらせる”方向にグレードアップしないかい?こういう責任の取り方が主流であるなら、日本は、日本産業は、よくなるとは思えない。

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