【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20160818 ゴジラ対応社会
出勤したがお盆休みは休まないと長生きできないという説に基づき3時にあがってシンゴジラ鑑賞してきました。以前から一緒に見る人を募集していましたが、急に思い立ったのでひとり映画。M列まであるまあまあの大きさの上映館でしたが最前列まで満席。これはヒットしているのじゃないか?いや実際ヒットしているらしい。。そうだろうな。
そろそろネタバレも溢れて来たと思いますがまだ自粛して感想のみを公開。
まず、これは、怪獣映画ではない。現在の日本社会に問題提起する映画です。とりわけ危機管理に対して、何を想定し、捨てなければならないかを覚悟することを想像するために、大人は必見と思うのです。映画からいくつかの示唆について自分なりに。
- 「敵」には、涙も情けも通じない、行動も読めない
自然災害、あるいは今時戦争を仕掛けてくるような敵(相手)は、こちらの常識や情け、お涙は通用しない。避難にしても対抗策にしても、根拠のない、相手への期待や甘い憶測は、禁物だということ。
- 縦割り組織の弊害を笑っているだけではダメだ
情報は徹底して共有しないといけない。その点だけを見ると縦割りの弊害は目立つが、災害の非常事態に、組織縦割りの縄張り争いのような会話に笑っているだけではだめ。現場に対しての命令系統が縦割りになっていないと混乱を引き起こす。”打て”という攻撃命令が1系統からくるから機能するので、いろいろな系統から来ていたら乱射で作戦もなにもあったもんじゃない。統制と共有、両方を機能させるようにしないといけない。
- 自分で決め、自分で処置できるように
やっていいこと方式(ホワイトリスト)の限界。緊急時には、統制のための命令系統を通して指令を出すと、命令が伝わりきるまえに機を逸する。「すべて許可する」モードになって初めて機動的に動ける。やってはいけないこと(ブラックリスト)方式の必要性。
- 同盟先に支援を頼む意味
支援はあくまで支援。まず本人がどうにかしようとしていて、不足する部分についてを依頼して、依頼したことだけを支援してくれる。自衛隊を使わないでいきなり米軍に支援を求めてもダメ。
- 同盟先に委ねる意味
では、支援が限界になり、同盟先に委ねる意味は?委ねれば、彼らの判断基準で、行動を決めるから、我らの重要視していることがかならずしもかなわなくなる。国連は世界平和のために、核兵器を東京に落とす決断をする。
- ギブアンドテイクのための「カード」
交渉に交換条件は必須で、交換カードが必要。事後の約束は、場合によってはどちらかが”存在しない”かもしれないので、カードにならない。情報はカードになる。だから大事。
因に、この映画で、イデオロギー的な脊髄反射的反応もあるかと思いますが、朝のニュース番組Zip!のコメンテイター宇野さんの意見がその辺りに対応していますのでご参考に。
ゴジラは放射能生命体でもあり、それをあわせると、今の日本の抱える課題が沢山出てくる。イデオロギー論でなく、現実策として、共存を考えないといけない。