プロパガンダゲーム【読書/映画感想】20180718
あらすじ
大手広告代理店の最終面接は、
応募者が政府とレジスタンスに別れて、
「広報によりSNS上の国民を扇動して、戦争をするか反対するかの国民投票をして、国の意思を決める」
というゲームだった。
領有権を争う島、軍事費を増やす巨大な隣国、何があっても戦争反対のレジスタンスと平和のために、領土をまもるために戦争も辞さない政府。どこかにある実話、どこにでもある実話。感情を剥き出して一生懸命戦う先にはなにがあるか?会社の目的はなにか?就職後にこの仕事をやるのか?本当の黒幕は?重い話をデジタル時代にどう扱うか。一読の価値あり。
ジャーナリズムとは、報じられたくないことを報じることだ。それ以外は広報にすぎない。
本書の中の登場人物のセリフだが、すごい美意識。ただ、同時に上から目線も感じる。時間通りに走った列車はニュースにならないというやつだ。これに対する別の登場人物の広告観は、
でも、私は、それだけじゃないと思う。美味しいレストラン、楽しい遊び、綺麗な風景を報じることも大事なことだ
意識高い系と普通の感覚の違いみたいな。ビジネスとしてみたら、その運営資金がどこから来るかに依存してくる。たとえ、資金が公共の機関からくるにしても、その偏りがないとはいえない。むしろ、政党の意向に偏っている事は体験的にも実感できるだろう。
平和のために戦いも必要だ?
言いにくいことを言ってくれる人ほど本当の友達だとか、殴りあって初めて分かり合えるとか、 そういうことでは無く、「国」という概念が「領土」を基盤にしている以上は取り合いになり、相手から奪わなくても、国民を守るために戦い、平和を勝ち取る、 そういうものだと言う立場。
何があっても戦争はいけない?
いや。。。もし国が争いの根源ならその解消を主張するのだという立場もあろう。未知の脅威に対抗するために世界政府が出来るという設定の映画もリアリティを持って描かれている。 でも、みんなが「その気持ち」になるまでに攻撃されてしまったら?戦わず黙って蹂躙されるべきか?命かイデオロギーか?
結局
「どの意見が正しいか」じゃない。複数の視点、意見があることを認識し、理解し、自分で考えること。