半蔵門御散歩雑談/ODR Pickups

株式会社ODR Room Network

このブログは、株式会社ODR Room Networkのお客様へのWeekly reportに掲載されている内容をアーカイブしたものです。但し、一部の記事を除きます。ODRについての状況、国際会議の参加報告、ビジネスよもやま話、台湾たまにロードレーサーの話題など、半蔵門やたまプラーザ付近を歩きながら雑談するように。

アイビーエムに頼め?

アイビーエムに頼め?【半蔵門ビジネス雑談】20201002

 

そのシステム開発が、技術的に、または、戦略的に、新しい試みであればあるほど、未知の部分があり、開発を外部の専門業者に任せなければならない時には、ある程客観的に信頼のある会社に頼まざるを得なくなる。


今はクラウドでメーカー的縛りはあまりないが、特に汎用機時代はそうせざるをえなかった。ハードウェアを供給する会社が、その上で動作するソフトウェアのノウハウも保有していたからだ。ハードウェアも開発されたばかりで、コンピュータシステムの初期の時代は、だからみんな、IBMに頼んだ。頼まざるを得なかった。この結果、アイビーエムに頼むことに拍車がかかる。

 

すなわち。

 

発注する企業の担当者もその上司も、自分が発注責任者になったなら、失敗はしたくない。もっと掘り下げて言えば、自分の判断が原因で失敗したくない。

本来、システムの開発では、システムやシステム導入後の業務の最終完成形をきっちり定義し、それをできる委託先業者を選定すればいい話だが、それができたかどうか、定義がしっかりできたか、選定がしっかりできたか、その委託先が信頼できるのか、委託先のメンバーが、技術者のスキルが十分なのか、PMがキレ者なのかどうか、不安はつきない。心配は拭えない。

なぜその方法を、その委託先を選んだか。その理由は重要で、特に失敗した時のために。それは発注者がサラリーマンであれば仕方ない。だって責任問題は、時に評価に多大な影響を及ぼし、時にキャリアに影響を及ぼし、時には生涯年収にだってつながってくる。

担当者は、価格、 アプローチのタイミング、プレゼンのうまさ、相性などが良くて決めてしまっていないか心配。その事業者に決めた根拠がキチンと説明できなければ、失敗したときに、あるいはトラブルになったときに、発注者の責任になってくる。なってしまう。

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結果。

客観的に実績ある会社、つまり評判の高い会社に、決めることに傾く。誰が選んでもそうなるような、有名大手に決めたくなる。その方が、実力的にも安全だし、何よりも、担当も責任上司も、「ああ、あそこに頼んだのなら問題はないだろう。それでも失敗してしまったのなら、やむなし」という評価になる。そうすれば、少なくとも、自分らのミスの要素はかき消される。

 

かくして、アイビーエムに頼めが最適解となったこともあった。

かつてのアイビーエムは、黒いスーツと黒いタイで、銀行員のような出で立ちが特徴だったと、人づてに聞いたことがある。アイビーエム出身の上司にもそれを聞いたことがあった。

 

いまでも、大手の、大規模な、重要プロジェクトでは、無名のチャレンジャブルな新興企業が、大手のコンサルティング会社に仕事を掻っ攫われたことを聞くことがある。

 

アイビーエムから別の企業に変わったかもしれないが、

「アイビーエムに頼め」の法則はなかなか乗り越えられない。