【ODRピックアップ】20160302 ホテルのロビーで
米国の若者による銃乱射。痛ましく悲しい事件です。自分の知っている人がいたら。。。と思うと、つい娘たちに、「いったい今日はどこにいるんだ!!?」と小言をいいたくなり、煩がられます。
こうした銃乱射事件がある度、「日本だったら絶対規制される」と思うのですが、米国では、しばしば繰り返されるにも関わらず、規制しようという動きにはなりません。銃規制をしよう!という動きになった時によく出てくる名前は、「全米ライフル協会(http://ja.wikipedia.org/wiki/全米ライフル協会」。歴代大統領も会員や名誉会員として名を連ねる会員数400万人のこの団体は、有力なロビー団体となっており、私的な政治活動をしています。これはロビー活動といわれています。
ロビー活動とは、特定の業界団体や企業が政策の決定などに自分たちの主張を反映させるために、政治家や官僚に働きかけること。前述のライフル協会が銃規制の法案に対して影響を及ぼすための政治家に対する活動です。こうした活動は目立たぬように、ホテルのロビーなどで行われたことが語源となっています。そして、こうした活動を行う会社や人をロビイストといいます。
日本では、「ロビー活動は、利権団体と政治家との、癒着や買収という印象が強く、敬遠されます」が、米国では、ロビー活動公開法の規制下で、多くの退職した議員がロビイストとして登録し活動しています。
数年前の記事ですが、
米グーグルとフェイスブック、ロビー活動費が急増
米グーグルとフェイスブック、ロビー活動費が急増 | ロイター
グーグル、フェイスブックは、個人情報保護法や独占禁止法にからんで、ロビー活動費を大幅に増やしました。規制しようとする政府当局との対立を緩和して有利な法案にしようと働きかけています。
米議会工作に目覚める中国 ロビー会社に大金投入
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石油など北米の大手企業買収に動く中国は、ロビー活動に多額の費用を使い始めました。
台湾は、早くからロビー活動を重視し、中国との関係に米国を巻き込み、味方に付けることに成功しています。台湾の軍備の購入に際しては、米国内で台湾と中国に依頼を受けたロビイストが水面下の戦いを繰り広げている。。そんな映画みたいな世界がある。。。?
実は、ODRでも、国連での会合が正式な作業部会として実施されていますが、前後して各地で行われてきたフォーラムや勉強会、メンバー間の交流での政治的な接触の依頼などが繰り広げられています。私たちも微力ながら虎視眈々と探り合いをしています。
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銃、アルコール、タバコ。3大嫌われ者?と言われる業界のうち、タバコ業界のロビー活動を描いた映画「サンキューススモーキング(サンキュー・スモーキング)」は、タバコパッケージにドクロマークをつけようとする政治家と、タバコ業界のロビイストが繰り広げる策略合戦。
ブラット・ピットにタバコを吸わせることはできるのか?