【ODRピックアップ/半蔵門ビジネストーク】20160816 偏向タイムライン
デジタル化は、ブログやSNSなど様々な手段で自説を述べる機会を溢れさせています。
1 ある日タイムラインを見ると。。
仲の良い気の合う友人たちで構成されている自分のSNSのタイムラインですが、テロが起きたり、重要な法的議論が注目されたり、選挙報道、政治家の発言が報道されると、相対する意見、主張が表面に出てくるのは当然のこと。それぞれの議論での両極端の意見が並んでいます。思わぬ人が思わぬ意見の側にいて驚くと同時に、うっかり自分の意見を伝えるとスゴい勢いで否定され、説得モード入られてしまい面食らいます。最初は、キチンと自分の主張を伝えようとしましたが、言い争いとなってしまい、もやもやが残ってしまう、そもそもそういう議論をするつもりでSNSをやっているわけじゃない。それがイヤなので、そうした書き込みが見えないように、フォローを辞めてしまった場合も数多し。
なるべくそうした主張に触れないような内容を書くようにしていますが、結果として、自分のタイムラインを占める意見は、自分が聞いて心地よいものだけに偏っていき、今では、頭の中は相当書き換えられていることは自覚しています。
逆に、これは自分と反対の意見の人でも同じことが起きていると推測できます。実際、特定の人の発言やシェアを追ってみると、どんどん偏っていっている。。多分、自分のも、そのように見られていることでしょう。
2 事実だって偏る
マスメディア報道は中立といわれますが、偏った報道になりがちなのはもはや自明。
「”事実”の報道だから偏らない」といいますが、「何時何分なにが起こった」ということのような形式的なこと以外、例えば行動の”事実”の背景には思想があり、そうした”事実”の描写にも思想が反映するので、”事実”といいつつも偏向は入り込みます。
せめて、少なくとも、偏向した意見"だけ"にならないように、
- 事実をベースに
- 複数のスタンスがあることを明示して
- 自分の意見は、それと明示
していくしかありません。
- イスラエルは、パレスチナの地を”不法”に入植地として奪い取り迫害を続けているという立場
- イスラエルはモーゼの時代から迫害され国を負われナチスに虐殺されてきてやっと約束の地に戻ったという立場があります(凄い大雑把!ですが!)
イスラムの友人たちは、同じイスラム教徒としてパレスチナを占拠したイスラエルを認めていません。
イスラエル(ユダヤ)コミュニティは米国金融業界で大きな力を持っていてイスラエル支援に影響力を持っています。この点では、イスラム勢力から見れば米国はイスラエルの味方です。
4 議論作法未成熟
あるフォーラム後の非公式ディナーで隣席となったイスラエルとイスラムの友人の議論が面前で繰り広げられました。
ここでは善し悪しを論するつもりはありません。実際、どちらかの肩を持つことさえできませんでした。
「そんな風に争うことはよくないことだ」といわれて育ってきてしまった私には、こういう風にオープンに議論すること、面前で繰り広げられることを聞くことですら、心の準備ができていません。どうにか、宥めようとしてしまう。そして、「なぜそんなことをするのか」と反って攻められてしまいました。
イスラエルとイスラムの偏向に対して、争うなという私の日本的?主張もまた、偏向の一形態になってしまうのです。
少なくとも、理解あるいは意識すべきは、国際社会ではすべては、偏向の中にあること。言い換えれば、あらゆることは相対的であること。ここを間違えると、更に分けの判らない新たな議論を生み出してしまうことになります。